投稿者「uterium」のアーカイブ

LAMY 2000 万年筆 修理完了

さて,この前修理に出したLAMY 2000の万年筆が9月6日に修理を終えて帰ってきました.

納期は修理の見積もりが終わるまで3週間,そこから修理を完了して帰ってくるまで約1ヶ月.案外時間がかかります.店から代理店を経由してメーカー送りになってるんですかね?ちなみにお値段11880円(税込み).結構しますが,まぁ本体を買い直すよりは安い.

ペン先はそのままで首軸と吸入器本体後部が交換という風になったので,本体はほぼ新品ですね.多分首軸と吸入器のはめ合い精度の関係で,両者がセットになってるんでしょうね.

R0000607

 

 

 

 

 

キャップと本体で照明の反射具合の違いが分かるでしょうか?5年使用でこれくらい表面がつるつるになるという証拠でもあります.

R0000609

 

 

 

 

 

首軸の部分はインク漏れ対策でステンレスのモノコックになっています.無料バージョンアップされたような感覚.有償修理だけど.

R0000611

 

 

 

 

 

書き味は正直最後に使ったのが2ヶ月前なのでよく覚えていませんが,引っかかりもなく,紙の上をスルスル走ります.字幅が太いのが難点ですが,これがいいのです.字が汚くて失礼.

万年筆使用の理由の1つに,ペン先の削れが自分の書き癖を覚えるというポイントがあると思うので,ペン先をそのまま維持しようとするLAMY社の修理ポリシーは非常に好感が持てます.国産メーカーを含めた他のメーカー産もこういう方針で修理してくれるんでしょうか?手持ちの他の万年筆が壊れたら是非とも身銭を切って調査してみたいと思います.

万年筆の修理(LAMY2000)
予算:11880円(税込み)
納期:約2ヶ月

2014年8月の読書録

2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:3305ページ
ナイス数:24ナイス

夏の前日(5)<完> (アフタヌーンKC)夏の前日(5)<完> (アフタヌーンKC)
読了日:8月30日 著者:吉田基已
四月は君の嘘(9) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(9) (講談社コミックス月刊マガジン)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(8) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(8) (講談社コミックス月刊マガジン)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(7) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(7) (月刊マガジンコミックス)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(6) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(6) (月刊マガジンコミックス)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(5) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(5) (月刊マガジンコミックス)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(4) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(4) (月刊マガジンコミックス)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(3) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(3) (月刊マガジンコミックス)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(2) (月刊マガジンコミックス)四月は君の嘘(2) (月刊マガジンコミックス)
読了日:8月30日 著者:新川直司
四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(1) (講談社コミックス月刊マガジン)
読了日:8月30日 著者:新川直司
遙か凍土のカナン3 石室の天使 (星海社FICTIONS)遙か凍土のカナン3 石室の天使 (星海社FICTIONS)感想
良造は釣りキチ三平あと、中央アジアで鉄腕!DASH!!…ってもうちょっといろいろあっただろ。表紙の女の人とか、コサック衣装着たオレーナが可愛いとかさ。
読了日:8月25日 著者:芝村裕吏,しずまよしのり
僕は友達が少ない10 (MF文庫J)僕は友達が少ない10 (MF文庫J)感想
日向さんの秘密が明らかになることにより,本作の,特に初期における「残念」という概念は,要するに「人付き合い向いてない」的なものだったのだろうなぁと思う.まぁ現実もそんなもんだろう.というかそんな人たくさんいるだろう.
読了日:8月24日 著者:平坂読
銀の匙 Silver Spoon 12 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 12 (少年サンデーコミックス)
読了日:8月20日 著者:荒川弘
彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)彗星夜襲隊―特攻拒否の異色集団 (光人社NF文庫)感想
美濃部少佐本人が語るに,芙蓉部隊はヒューマニズムから出たものではないという事だそうなので,「どうせ戦場ですり減らすなら,1人の命を最大限有効に使う.」という発想だったのだろうなと.アニメマンガ脳からすると,『皇国の守護者』の新城直衛,『ガンパレードマーチ』の善行忠孝を思い出した.
読了日:8月16日 著者:渡辺洋二
日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか
読了日:8月5日 著者:泉田良輔

読書メーター

『魔女は月いずるところに眠る(上中下)』 著:佐藤ケイ 挿画:文倉十

電撃文庫初期の長編シリーズの1つだった『天国に涙はいらない』という作品の著者、佐藤ケイさん。民俗学や宗教学などに造詣が深く、地に足のついたファンタジーを書く作家さんで、友人がファンだったのもあり、僕自身も作品をよく読ませてもらっています。まぁ、悪く言えば理屈っぽく、ライトノベルの主要読者層であろう中高生に広く受けるという感じではなかろうなぁという印象を受けます。まぁ中高生の友人がいないので、何ともいえませんが…。広げた風呂敷を手堅くたたむ小説家としての力量は、さすがといわざるを得ません。挿絵は『狼と香辛料』の挿絵をしていた文倉十さん。魔女の、少しクラシックな衣装はお手の物ですね。

魔女残酷物語…というと、2010年代アニメの傑作の1つであろう『魔法少女 まどか☆マギカ』が思い浮かびます…が、魔法少女というテーマを脚本家の持つ世の中感で解釈してリビルドした結果陰惨になっているのがまどマギだとすると、これはそもそも「魔女」とか「黒魔術」みたいな物が持っている陰惨さをそもそもベースにしているという感じがしました。非常に無理矢理な解釈かもしれないですが。力を振るえば力に食われるという発想はCLAYMOREなんかもそうですね。

本作には、様々な能力を持った魔女が出てきますが、本作における究極の力は、「他人を理解して、他人に寄り添う力」でした。というか、本作のテーマは終始それだったのではないかと思います。「神だけがいない」という本作中の言葉にあるように、自分ではどうにもならない出来事、というかぶっちゃけ大小様々な不幸が降りかかり、思いやりが届かなかったり、素直に引き継がれなかったりして生じたすれ違いこそが、2000年にわたる魔女の因縁であり、最終的に主人公に収束します。ことの顛末がどうなるかは、本作を是非とも読んでいただきたいところです。

個人的には、本作の悪役の一人が、世の中を好きになれるかどうかと、罪を犯すかどうかの関係を語るところが非常に印象に残っています(第三巻の一幕です)。いわゆる「無敵の人(失うものがないがゆえに世の中や他人に非道なことが平気でできてしまう人)」ってこういうことなのかとふと考えてしまう一節でした。

 

『大いなる沈黙へ』 監督:フィリップ・グレーニング

普通の日本人にとって、「祈る」というのはせいぜい自分のための現世利益を神に祈るくらいしかないような気がします。少なくとも筆者はそうです。しかし、世の中には、「祈る」ということを人生の中心に置いて生きる人々がいて、そういった人たちがいろいろな宗教に存在するらしいです。

本作は、キリスト教の修道院、その中でもとりわけ厳しいルールに則って運営されているグランド・シャルトリューズ修道院という修道院を被写体としたドキュメンタリー映画です。監督が1984年に企画を思いついて、修道院に依頼をしたら、15年たって初めてOKが出たそうです。監督一人で20キロの機材を背負ってアルプスの山奥の修道院に赴き、そこで実際に修道士と同じ生活を送りながら撮影した、魂のこもった一作です。ちなみにこの修道院、聞いたことがある方もいると思いますが、リキュールにその名を残す修道院でもあります。

本修道院は沈黙の修道院と呼ばれることがあるらしく、そこで暮らす修道士は、1週間に4時間のレクリエーションの時間を除けば、個室にこもってひたすら聖書を読み、祈る、という生活を送ります。3時間以上まとめて眠ることはなく、自給自足の修道院を維持するための肉体労働や修道院全体での祈りの時間など、1日の生活は厳格なマニュアルに従って行われます。日々、電波なり何なりを使って、濃厚に他人とコミュニケーションを取っている現代人の生活とは真逆と言っていいでしょう。

全編通してサウンドはほぼ環境音しかなく、同じようで違う生活のシーンが淡々と繰り返されます。季節や冬、早春、夏と移り変わっていきますが、そういった自然の変化以外には大きな変化はなく、いうなればヤマもオチもない映像が続きます。実際には2年くらいの撮影期間があったらしいのですが、変化がないのが逆にすごい。あぁ、こうして云百年なのねと。こう言うと怒られそうですが、退屈で、眠たくなる映像でもありますが…。

時々、修道士を正面から撮った、自己紹介的なカットが挟まれるのですが、それを見ていると、次のシーンで、「あ、さっきのおじさんだ!」みたいになり、自分が徐々に修道院になじんでいくような錯覚を覚えます。同じカットが繰り返され、そこで修道士が水をくんだりするため、「あ、そこに水道があるんだよな!」とか徐々に場所を覚えていくのもその効果を補います。本作を表する言葉の一つ「映像が修道院そのものになった。」というのはこのことなのかもしれないなと。

単館系の映画館で現在公開中ですので、興味を持たれた方はお早めに。
公式サイト

『遙か凍土のカナン 3 石室の天使』 著:芝村裕吏 挿画:しずまよしのり

ウクライナコサックの姫君オレーナを守りつつ、シベリアに国を作れとの密命を受けた大日本帝国陸軍の元士官、新田良造は、新たに出会った連れ合いのユダヤ人騎兵グレン、盗賊の姫ジニをつれて中央アジアを超えてサンクトペテルブルクを目指す。

……という筋書きの本作。本巻にて「寄り道=ジニの村の移設」が終わります。そして、前作の『マージナル・オペレーション』を読んでいればどこかで見たことがあるようなルックスで、どこかで聞いたことのあるような名前の女性が出てきます。彼女がどんな騒動を巻き起こすのか、そして何より、良造とオレーナの仲は進展するのか?

個人的に本作でおもしろかったのは「旅」と「開拓」の描写でしょうか。道を探し、水を求め、野営をする。未開の地を旅する人のあり方がよく描写されていて、自分も旅に出たくなってきました。それも、自転車や徒歩で、自分の足を使っての旅です。実際にはとても大変でしょうが……。野営の中で、なにせ出自の異なるメンバーの集まりですから、年齢の数え方やら何やら、文化の違いを語り合うところはなかなか興味深く読んでいました。後者は要するにテレビ番組『鉄腕DASH』の名物コーナー、DASH島のようです。アレ好きなんです……鉄腕DASH……。

あとは、良造の太公望ぶり!本作は基本的には良造の一人称視点で進むのですが、釣りに関する部分だけまさに目の色が変わったかのように文体が変わります。普段は淡々とした感じの語り口だけに、思わず吹き出してしまいました。是非本書を実際に読んでいただきたいところです。

最後の見所は、良造とオレーナの痴話ゲンカというかイチャイチャというか……というやつでしょうか。読み進めればニヤニヤすること請け合い。そして挿絵の、コサックの女性の衣装を着たオレーナがまた可愛いのです。本巻にて、二人の関係に一区切りつくのですが、さてどうなるかは読んでのお楽しみです。

『彗星夜襲隊 特攻拒否の異色集団』 著:渡辺洋二

特攻=飛行機なら、捨て身の体当たり攻撃について、個人的には本当に歴史の教科書に載っている程度のことしか知らないのですが、本書の主役たる「芙蓉部隊」という旧帝国海軍の陸上航空部隊は、その特攻を拒否した上で、著名な戦果を上げた部隊としてその筋では有名なようです。

芙蓉部隊の指揮官たる美濃部少佐は、南方での撤退戦の中で「夜襲」により特攻に頼らずに戦果を挙げる方法を思いつきます。何度も何度も部隊の編成に挑戦しては失敗し、結局まともに部隊を組織できたのは防衛線が日本近海にまで後退した大戦末期、航空燃料も底をつき(日本が太平洋戦争末期にいかに窮乏したのかは「海上護衛戦 著:大井篤」を是非お読みください)ろくに訓練もできないような状況でした。それでも美濃部少佐は創意工夫で粘り強く戦い、大戦末期の、日本国内の制空権をほぼ奪われたような状況で著名な戦果を挙げます。ちなみに、太平洋戦争末期に日本がいかに窮乏したのかは、『海上護衛戦 著:大井篤』をお読みください(本ブログにおけるレビュー)。

部隊の主要な使用機材は艦上爆撃機の「彗星」特に、ドイツが設計した水冷エンジンを搭載した彗星12型と呼ばれる飛行機だったそうです。高速で高い性能は出たのですが、なにせ構造が複雑で整備が大変。そのうえ、資源がなかったり、製造技術が未熟だったりで本家のエンジンよりも性能がダウンという代物。機械の構造以外にも、零戦などを含めた日本の航空機は空冷星形エンジンだったことも、整備を難しくしていたようです(要するに整備員が慣れていない)。これを美濃部少佐は、整備員を多数そろえ、メーカーから技術者を呼んだり、整備員をメーカーに送ったりして技術を高め、徹底的に整備を施すことで、稼働率を高めました。それでも、出撃した機の半分が故障で途中で引き返してくるみたいな事態が結構起こっていて、この時代の兵器ってのは結構デリケートだったんだなと思いました。というか、現代の日本の自動車などが高信頼性過ぎるのかもしれませんが。

「特攻を拒否」し、それを補うために「夜襲に特化する。」「燃料窮乏下でも搭乗員の訓練に創意工夫を尽くす。」「故障の多い機材を整備員の充実で補う。」など(詳細については本書を読んでください)勝つために徹底的な工夫を行った美濃部少佐ですが、それらもあくまで「特攻よりも勝算があるため」であり、「どうせ命を使うなら、最大限有効に使う」という発想で行われたものだそうです。決して「大義のために命を差し出すこと」を悪としたつもりはなく、特攻で勝てるならそれを選ぶ、とのことでした。フィクションには時々出てくるタイプの指揮官ですが,その元ネタなのかな?とも思ったり。

集団の存亡のために個人の権利や命を使う、という考え方が、状況によっては成立しうることについて、理屈の上では私も理解はできます。しかし集団の未来を担う若者の命を使い減らすこと前提で作戦を立案するというのは、損得勘定だけで考えても理解不能です。マキャベリの君主論や孫子の兵法はこの時代にも日本語訳で読めたはずで、戦争はあくまで「手段」であり、「目的」ではないと言うことくらい分かりそうな物ですが…。まぁ特攻批判は本書でも少しは出てきますが、これは本書の感想とはあまり関係がないですね…。

『富士山さんは思春期 4』 著:オジロマコト

以前,思春期マンガ特集でも感想を書いた作品です.身長が180センチある女の子富士山さんと,対照的に身長160センチの男の子上場くんが付き合っている様子を描いた作品で,中学生同士の甘酸っぱいというか,青臭い恋愛模様が描かれる作品です.

さて,本作も4巻まで来ましたが,いよいよタイトルのごとく「富士山さんは思春期」という感じになってきました.前巻まではどちらかというと男の子の上場君が思春期の青い衝動に突き動かされて積極的に洗濯機の中からパンツ引っ張りだしてみたり,透けたブラウスから除くブラジャーの線にハァハァしたりとまさに「上場君は思春期」状態だったんですが,本巻は富士山さんが色々赤面しまくりで,すっかり上場くんにお熱な感じが伝わってきます.体の距離もグッと近づき,あぁ,世の中のイチャイチャしてるカップルってのは,こういうプロセスを経てるんだなと納得する次第.

本巻で富士山さんがこうなった理由を考えてみると,本巻の主軸になっている放課後デート,その原因になった富士山さんの故障,のときに上場君が男気を見せたというところがあるのかなと(第3巻参照).富士山さんは多分それでグッと来ちゃったんではと.上場君,スケベなんだけど,富士山さんに対して思いやりがあってとても優しいのですよ.体は小さいけど器は大きいというか,こいつはいい男になるな…という感じがします.あと,バカに見えて何気にテストの成績もいいし,部活こそ真面目にやってないけど,上場君,実はすげぇ奴なんじゃないか?

「フルメタルパニック!」という作品の「女神の来日(温泉編)」というエピソードで,登場人物の一人クルツ・ウェーバーが行ったセリフ,「大人になったらエッチなことはたっくさーんできるけどな,同じクラスのあの子と,目が遭ってドキドキ……なんてのは学生のときしかできねーんだぞ?」を体現している作品と言えましょう.本作に描かれているような甘酸っぱい思春期を送ってきている諸兄も,カップル爆発しろ,と思っている灰色の青春を送ってきている諸兄も,中学生の昔を思い出して懐かしめる,良作です.次巻も期待.

 

2014年7月の読書録

2014年7月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1819ページ
ナイス数:44ナイス

あさひなぐ 12 (ビッグコミックス)あさひなぐ 12 (ビッグコミックス)感想
序盤の「体ができてく主人公」に続いて,この辺の人間関係のトラブルまで引っ張ってくるかという感じ.王道の「運動部マンガ」と言えよう.
読了日:7月31日 著者:こざき亜衣
富士山さんは思春期(4) (アクションコミックス)富士山さんは思春期(4) (アクションコミックス)感想
富士山さんの赤面率が上がり,2人の体の距離が近づいているのを感じる.あぁ,世の中のベタベタしてるカップルは,こういう過程を経て距離が近くなるのねと.
読了日:7月31日 著者:オジロマコト
カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)カエアンの聖衣 (ハヤカワ文庫 SF 512)感想
人と洋服とは何か?自分の体とは何か?をこれほど縦横に考察して,エンターテイメントに仕上げている様は非常に秀逸(僕が言うまでもないか).個人的にもう一点興味深かったのは,序盤のソヴィヤ人とヤークサボンズ人に対する差別意識の点.大航海時代以降,おそらく西洋文明はこういう人間観,文化観を以て他の文明を蹂躙したんだなぁと感慨深い.
読了日:7月22日 著者:バリントンJ.ベイリー
娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックス)娘の家出 1 (ヤングジャンプコミックス)感想
離婚にしても,性的マイノリティにしても,なかなかデリケートで触れられなかったり,身近に存在したら「常識」が邪魔して直視できなかったりするけど,この作品では割と「ただ,あるもの」として扱いを受けているような気がする.それはともかく,志村さんの描く少女の体(とくに手足や指の華奢さ)とか,彼女らが身につけている衣類の繊細な描写はすごいなぁと思う.
読了日:7月19日 著者:志村貴子
セントールの悩み 8 (リュウコミックス)セントールの悩み 8 (リュウコミックス)
読了日:7月19日 著者:村山慶
我が家の問題 (集英社文庫)我が家の問題 (集英社文庫)感想
決して悪い意味ではなく,「よくある」「ありがちな」家庭生活の断片を切り取った短編集.『里帰り』に描かれる,面倒であると同時に不思議に心地いいような「家族」とか「親戚」の感覚は実体験に近いかなと.自分には血のつながってない親戚ってのがいないので,半分しか分からないわけだけども.
読了日:7月8日 著者:奥田英朗
家日和 (集英社文庫)家日和 (集英社文庫)感想
本作に描かれる家庭や家というものから,人を夫,妻,親のような型に嵌める「枠」のような印象を受けた.何かのきっかけでちょっと枠の外にはみ出て,その人本来の部分が取り戻され,結局「枠の中」が基底状態だから,そこに帰ってくる.日常ってのはそういうもんなんだろう.個人的に男の隠れ家を扱った話は面白かったな.ああいうの大好き.
読了日:7月7日 著者:奥田英朗
Landreaall 24巻 限定版 (IDコミックススペシャル)Landreaall 24巻 限定版 (IDコミックススペシャル)感想
「王とは何か?」というテーマから考えると、ついに中ボスくらいのクエンティンが主人公の前に(ラスボスは前王の呪いという不定形のもの)!という感じなので、ここが本作の1つの山か。メルメルの伏線はまさか!の極地。
読了日:7月7日 著者:おがきちか

読書メーター

ジッポーライターの修理

本エントリーでは、火付けの道具の定番、ジッポーライターを修理に出してみたいと思います。

ライターというと、日常的に火種を必要とする人だけのもの。要するに喫煙者くらいしか使わないものであり、ぶっちゃけいらないよね。というものの代表格のように思いますが、ライターなりマッチなりがないと、火を得るのって途端に大変になるんですよね。アウトドアでも役に立ちますが、まぁ非常時のためにも何か一つくらいもっておいても損ではありますまいという奴です。

そこでこのジッポー(Zippo)ですが、なにせ戦争のときに戦車の燃料タンクに針金で釣ってドブ漬けして使っていたというくらい、燃料を選ばず、シンプルな構造で風にも強いという一品です。オイルは適当に調達すればいいんだから、とりあえず、燃料は入れずに持っておけばいいというもの。

このジッポー、素晴らしいのは永久保証というか、無料修理が利くんですよね。(美観ではなく、火をつけるという機能面の故障のみですが。)以下ののリンク先に書いてある通りに申込書を書いて発送すれば、送料だけで修理してもらえます。

Zippo Japan|Lifetime Guarantee

R0000397

 

 

 

 

このZippo、カシャカシャさせて遊びすぎて、中の板バネが壊れてしまいました。修理に出したら3ヶ月ほど待ちましたが、中のユニットを見事に新品に取り替えてもらって、手元に返ってきました。しかも予備のフリント2個付き。上にも書きましたが、送料のみの負担でした。

1ヶ月以上待たされるのがネックといえばネックですが、気にいったものを長く使えるのは良いですね。100円ライターを使い捨てにする生活から、シンプルなジッポーを修理しつつ長く使う生活、いかがでしょうか?

『女子のてにをは (1)』 著:るなツー

アニメを見ている人ならば、男性向け深夜アニメの一つの主流として、女性しか出てこない作品があるという事をご存知でしょう。良くあるのが、女子校にカメラを設置したような感じで、そこでの女の子たちのキャッキャウフフを神の視点で鑑賞するという作品です。中には、ソフトな女性同性愛(いわゆる百合)だったり、そこから一歩踏み込んでしまった作品もあって、男性に人気を博している状況です。

本作はそんな感じで女性ばかり、特に女子高生のてにをはつまりは学校生活、日常生活を綴った作品です。特定の主人公がいないオムニバス形式の作品。上記のようにゴテゴテした感じはうけず、あくまでサラッと流す感じ。百合作品やそこから一歩踏み込んでる作品と比べると、コーラと無糖炭酸くらいの違いはあるように感じます。まぁどうも共学のようで男子も普通に出てきますし。

帯にもあるように、どうも30歳になって絵を描きはじめた女性が41歳にして単行本レビューというふれこみで、著者のプロフィール故か、厳密な時代考証は不明ですがレトロな感じ。何せ、「図書カード」、「昼休みに放送委員にかけてもらうCD」などなど、今でもあるのかどうか分からない懐かしいアイテムが満載です。個人的には、昭和後期から平成初期くらいの偏差値のそこそこ高い高校なのかな?という印象を受けます。荒れてる感じもないですし、十分に物質的文化的に豊かですし。

以前感想を書いた『思春期シンドローム』も同じようなテーマを扱っていますが、絵柄も作風も全く違って面白いです。素材とストーリー以外にもいろいろな味付けが出てくるのがマンガの面白さ。著者の来歴を含めて、日本のマンガ界の裾野の広さ、作風の多様さを表す一作と言えましょう。