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ロードバイクのフロントフォーク交換 1 ジオメトリーの研究

動機

昨年1年浮気したりしましたが、僕の決めた自転車は道楽号=PanasonicのORC-08です。そんな道楽号に前からやってみたかったのがベンドフォークからストレートフォークへの交換です(見た目がCo○nagoっぽいのカッコいいなぁというミーハーな動機)。直接伺ったことはないんですが、某Am○ndaの千葉さんによれば、「フロントフォークは走ると止まるを決める自転車の命、特に剛性が極めて重要」ということなので、これを鵜呑みにして色々と物色してみると、Wound Upというアメリカのメーカーのものが、カーボン、ストレート、高剛性と要求を満たしそうな予感。しかもオフセットが48ミリまで選べる。特にフォークオフセット(フォークコラム延長線からフォークが何ミリ前に出ているか)やヘッド角は操舵性に強い影響があるので適当には選べないらしい……ということなので研究してみました。

フォークオフセットとトレールの関係

自転車(というか二輪車全般?)のフロントセクションにはトレールという数値が非常に重要ということのようです。下図にあるようにフレームを横から見て、前輪の車軸から垂直に下ろした線とヘッドチューブの延長線が地面で作る寸法の差分だそうで、短いほど運動性や操舵性が上がり(ハンドルの切れ方がピーキーになり)長いほどその逆で直進安定性が良くなるということのよう。オフセットを長くするとトレールは短くなり、短くすると長くなる(ヘッド角にも依る)と言うことのようです。アンカーによれば、ロードバイク向けのトレールの理想値は55-58mm、許容値は50-64mm。たかだか1.4cmの長さの違いで乗り味がかなり変わるという事みたいです。

ジオメトリーの研究

道楽号の実家であるPanasonicサイクルテックのサイト を参考に(道楽号はサイズ500)、bicycle calculator でパラメータをいじってジオメトリーを再現すると大体こんな感じ。フォークの寸法は公開されていないので、後述の通りパナソニックサイクルテックに問い合わせました。

道楽号ジオメトリー再現 出典:Bicycle Calculator

トレールは66mm。小さいサイズはフロントセンターを確保しつつ、ヘッド角やフォークオフセット等で工夫が必要なため、設計が難しいという話を聞きますが、割と長めのトレイル。しかしこういう風にジオメトリーをじっくり眺めてみると、PanasonicのPOS、サイズは10mm単位で指定できるけどフォークはオフセット46mmの1種類という事みたいですね。この点でいうと、フォークのオフセットを3種類くらい用意しているアンカーの方がきめ細かいことをやっていると言えそうです。

さて、もう少し突っ込んで研究してみたいと思います。フォークの肩下寸法の違いによるヘッドアングルの変化も考えておきたいところです。パナソニックサイクルテックに問い合わせてみると、このクロモリフォークの肩下寸法はブレーキ穴-ホイールアクスルで計り、357.5mmということです。ブレーキ取り付け穴中心から下玉押し取り付け部までの長さは約8mmなので、レース-ホイールアクスル間高さは365.5mm、他方、Wound Up Road XフォークのBrake Heightは354mm、Race Height368mmとあります。フォークの仮想ブレード長さは三平方の定理で計算できるとして、これを入力してみると…

オフセットを48mmにしてみるとヘッド角が0.3度立ち、トレールが62mmとアンカー的許容値の方向に行くようです。
オフセットを45mmにしてみるとヘッド角が0.1度寝て、トレールが68mmと伸びます。
不確定要素はありますが、アンカーが言うところのロードバイク的な味付けにするなら48mmが良さそうです。

道楽号+WoundUp 48mm 出典:Bicycle Calculator
道楽号+WoundUp 45mm 出典:Bicycle Calculator

余談

しかしORC-08(現在の型番だとFRCC02)、サイズ500だとBBドロップ(ペダリングの安定性を決めると言われる)が64mmなんですね。長期間乗ったことのあるアンカーのRA5が70mmという事なので6mmも高い。ORC-08から感じた、「腰が高い感じ」はほぼホリゾンタルフレームであるということよりも、ここから来てるんでしょうかね

結論

フォークの交換というアイデアから色々ジオメトリーについても勉強することができました。次の自転車を買うのがいつになるか分かりませんが、それを選ぶ際にも、より踏み込んだ選び方ができそうです。

クロモリバイクにフロントダブルレバーで自転車道楽

かねてから計画していた道楽号(クロモリロード)のフロントWレバー改造を実施するときが来ました。

ということで作業完了。

横から見るとこんな感じ。普通は左右で異なるブレーキレバーは使いませんので、割と独特の見た目。

フロント変速はコンセプト通りWレバーSL-7700。前はインデックスではないんですね。トリム調整が無段変速になるので便利ですが、走行中に調整するのはちょっと面倒そう。まぁフロント変速はあんまり使わないので、というのがこの改造のコンセプトではあるので。

左のブレーキレバーは、シマノalfineのBls-705l。珍品の新品をヤフオクで入手して取り付け。右は、別途入手していた新品のST-4500か4501。オプティカルギアディスプレイが結構便利。見ながらギアを決めるというより、ギアがあと何枚くらい残っていそうか把握するのに使うのがよさそう。輪行の際に自転車ひっくり返すとちょっと面倒そうですが。

同時にハンドルをDixna J-fit Classicの400mmに変更。私、背は低いですが肩幅が結構あるので、420mmが案外合ってるんじゃあないかなと思いますが、変更してみます。

ちょっと20kmほど走ってきてみた感想としては以下の通り。

– 普通に動く。
– 横から見ると高さが合っているように見えるが、持った感じやや右のブラケットがしゃくり気味、ちょっと調整しないと。
– 補修部品に余りが出るので後々不便そうな感じ。ブラケットカバーを2種類用意しないといけないのがね。
– 400ミリのハンドルはダンシングしにくいが、ハンドル周りに剛性感を感じる。

まぁ、自転車は自転車本体に金をかけるよりも、ローラー台なり、走りに行くなりで時間を直接投入するのが一番なんですよね。車体に一定の水準があれば、あとは自分の体が全てです。

『ロードバイク本音のホイール論』著:田中良忠、吉本司

シマノでホイールの設計をやっていて、現在は独立されてSacraCyclingというメーカーでリーズナブルなカーボンホイールを販売している田中良忠さんが、自身のホイールについての考え方を書いた本。あと、吉本さんという方がタイヤやらホイールやらについて語っています。

なにせ

シマノのホイールの頑丈さは、自信を持って断言できます。というのも、耐久試験規格を作ったのは私だからです。日本人が走行疲労だけでシマノのホイールを壊すのは、まず不可能です。

なんて書いてある。パワーワードというネットスラングがありますが、本書においてはこれがまさにパワーワードでしょう。そういえば、クロスバイクについてきた手組みホイールはスポークの首が飛んだんですが、シマノのR500はそれ以上に使ったにもかかわらず壊れなかったなぁという実体験を思い出しました。

とりあえず、「速く走るにはどういうホイールを選ぶべきか」という基準で論が展開されていて、速さを競わないロングライド指向の一般のライダーも、速く走れれば早く遠くまで行けるので、速く走れて損はないのですよね。乗り心地や過剛性という問題に対しては、タイヤや、ペダルといった小さくて安い部品で調整しましょうという言い方がされていますし。全体として、工学(特に機械工学)である程度断言できる部分(細かい数式なんかは全然入っていませんが)と、フィーリングで人によって異なる部分をキチンと分けて書かれていて誠実な印象があります。

田中さんの主張によると、とりあえずホイールは「リム」。「剛性=ヤング率」が重要で、その点アルミリムは価格とブレーキ時の熱容量以外でカーボンリムに対して優れるところはなし。予算が許せば、ミドルーハイハイトのカーボンホイールが良い、ということのようです。また、リム重量を追求するのは良いが、限度がある、とも。ホイールの本でありつつタイヤの重要性が説かれており、クリンチャーが良くなっていると言いつつ、チューブラーも否定していません。チューブラー、たしかに乗り心地いいんですよね。ちなみに、タイヤの空気圧も重要だそうです(これは今度やってみよう)。カップアンドコーンベアリングはクイックの締め具合調整が結構難しいらしく、シールドベアリング使用のハブの方が無難とのこと。

Amazonのレビューでは毀誉褒貶ありますが、とにかくサクッと読めますので、自転車のホイールに興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか?

独断と偏見による自転車沼のはまり方 -初心者向けアップグレード指南-

前提

  • 対象はロードバイクとする。
  • 既に1台持っているとする。ライト、反射板等一般的な保安機器は導入済みとする。

このようなバイクオーナーが、次はどこからお金を掛けるのが良いのか。フレーム、あるいは自転車全体を買い換える前に、お気に入りの自転車のどこをいじるか?を考えてみたい。最初の1台とあれこれ付き合ってみて自分の好みが見えてくれば、さっさと買い換えるよりも納得のいく2台目が見つかるはずである。

安全・快適

ロードバイクはちょっと慣れてくれば平気の平左で時速40kmとか出てしまうものである。名誉の負傷という言葉もあるが、自分の楽しみでやっている趣味でケガをしたり死んだりするのは本末転倒、大けがや死亡事故のリスクを下げるため、安全にはお金を掛けるべし。あと、乗るのが嫌にならないように、快適性を追求するのも悪くないと思われる。

  • ブレーキキャリパー:速い人も、遅い人も、ブレーキは指二本あるいは三本でかける。ブレーキングは技術体力よりも機材に依存するところが大きいため、投資効果大。レバーの方はただのテコなので握力に負けない剛性があれば十分だが、キャリパーの剛性が足りないとホイールとの間で振動したりして怖い。いいものを使っておけば、新しい自転車に移植も可能。
  • ヘルメット:高いほど軽くて頑丈、あるいは同じ頑丈さで軽い。ロードバイクは前傾姿勢なので、頭は軽いほど首への負担が小さく快適。
  • ハンドル、ステム、サドル:人体との接触点。これは高いものというより自分にあったものを探す方が良い。正解は自分の体に聞くしかない、安いものを色々試すべし。

動力伝達

多くの格闘技やスポーツにおいて、強い力をどう出すかというと、地面を支点にして全身の筋力を骨格と関節を通じて力点(拳、バット、ラケット)に伝えることで出す。自転車は逆に、全身の筋力をフレーム、ホイール、タイヤを通じて地面に伝えることで運動エネルギーを生み出す。ということなのでとりあえず始点と終点にお金を掛けてみよう。

  • クランクとチェーンリング:クランクは動力伝達の始点。高いものほどがっしりしていて力の伝達効率が良い。前変速はギアサイズの落差が大きくて、基本的にお金がかかってるほどよくなる(チェーンリングの製造に硬い金属を精密に削る等コストがかかる加工を行うため)。
  • タイヤ:動力伝達の終点。地面と自分の間にあるもの、止まるも走るもここが大事。自転車とはつまるところ、自分の筋力をタイヤに伝える道具なのである。あと、消耗品にお金を掛けられるのはブルジョアの証。
  • ビンディングペダル+シューズ:確かに乗りやすくなる。高い自転車で立ちゴケすると悲惨なので、最初に買ったエントリーモデルで扱いを学ぶのは悪くない。

重量の軽減

  • ホイール:大きくて重量があるため、最初に着いてくるものから良いものに変えると数百グラム軽量化できる。いいものは次の自転車に移植できる。ただ、フレームの次に高い。あと、高いものはあくまで「レース用の機材」であることは忘れないでいたいものである。余らせておくと自転車が生えるので要注意。

逆にあまり優先度は高くないもの

  • サイクルコンピュータ:なくても乗るのに支障はないため、必須ではない。あまり速度を出すことに縛られても自転車に乗る楽しみは損なわれる気もする。走った距離が見えるのは結構面白いかも。
  • 前後の変速器:3速(ママチャリ)→8速(クラリス)までは変速段数が2.6倍だが、8速(クラリス)→11速(105以上)はたかだか1.38倍である。別に変速系統が変わったところで、急に速くなったりはしない。後の変速はギアの落差が小さくコンポのグレードでそこまで大きな性能の差がでない。ということで、自転車を買い換えるときにまとめて替えてもいいのではなかろうか?推奨はされないが、仮に9,10速を使っている場合、クランクだけ11速に替えても調整次第で割と動いたりするものである。レース機材として使う場合はメーカー推奨の組み合わせにした方がいいかもしれないが。

ということで、この記事を読んでちょっとここいじってみようかななんて思った人は自転車沼にようこそ。筆者が書いたこの記事の内容に嘘偽りはないが、所詮は趣味で10年くらいロードバイクに乗っているだけの人間の言っていることであることだけは、心の片隅に置いておいてもらいたい。とはいえ、僕がこの記事を書くことで儲かるわけではないので、自分への利益誘導のために書いていないこともまた事実である。

Panasonic ORC-08

コンセプト

「道楽」

鉄フレーム、前後別グレードのブレーキ、チューブラーホイール/タイヤ、カッコいいと思う部品の使用(クランク、リアディレイラー、シートポスト、前後ホイール)と、構想3年の自転車道楽を詰め込んだつもり。色々手を加えてみたいところ.

自分の中でロードバイク、というものの基準を作ろうと組んでみた自転車。これを基準に、軽い、剛性感がある、コントロールしやすい、ブレーキが効きやすい、など自分なりの自転車に対する相場観を身につけたいところ。

各部品を更新しました。ますます何がやりたいのか分からない部品構成になりました。420→400mmにハンドル幅を変更した結果、ちょっと窮屈な感じはしますが、ハンドル周りの剛性感は高くなりました。

パーツ構成

カーボンの部品をほとんど使っていない。サイコンをマウントしているエクステンションバーにちょっとカーボンパイプが使われているくらい。完全に一昔前のロードバイクである。別にアナクロ趣味ではないが、カッコいいと思う部品を集めたらこうなった。

フレーム:Panasonic ORC-08 (ORC0xシリーズ 2015年モデル) サイズ:500mm(前三角:タンゲプレステージ、後三角:カイセイ022 らしい)
フォーク:Panasonic クロモリフォーク(スレッド)
ヘッドパーツ:Shimano Dura Ace HP-7410
STI(右):Shimano 105 ST-5500 → Shimano Tiagra ST-4501
ブレーキレバー(左):Shimano 105 ST-5500 → Shimano Alfine BR-S705L
シフトレバー(前):Shimano 105 ST-5500 → Shimano SL-7700
前ブレーキ:Shimano Dura Ace BR-9000
後ブレーキ:Shimano Ultegra BR-6800
サイコン:GIANT Continuum Sync
ハンドル:dixna J-fit 420mm → dixna J-fit 400mm
ステム: Nitto UI-2 100mm
シートポスト: Shimano Ultegra SP-6600
サドル: Fizik Arione K:ium
クランク:Shimano Ultegra FC-6600
チェーンリング:Ultegra 6600 52-39
ペダル:Shimano PD-A530
FD:Shimano FD-7800
RD:Shimano RD-7800 SS
スプロケット:CS-6500 12-25
フロントホイール:手組中古品(Dura Ace HB-7400 32H +星#15-16スポーク + ARAYA Prostaff 400)
フロントタイヤ:Vittoria Corsa CX2 21mm
リアホイール:手組銀輪二号(Campagnolo Record 32H + DS星#14 NDS星#14-15 + Ambrosio Montreal Silver)
リアタイヤ:Vittoria Rally 21mm

質量:約9.8kg

走った感じ(いわゆるインプレ)

  • とにかく気持ちよく走る。1時間くらい走って体が温まってくると、平地だとどこまででも走って行けそうな気がしてくる。実際のところはちゃんと疲れてくるんだけど。
  • 本格的な坂は上ったことがないので分からないが、重さ的にはあんまりRA5と変わらないはず。他人と競い合っているわけではないのと、無駄なウエイトは体重に含まれていると思っているので,自転車の質量は余り気にしていない。
  • RA5に比べると多少もさっとした感じは受ける。アルミバイクがガスガス加速する感じなのに対して、こいつはギュンギュン加速するという感じか。実測した加速時間でどれくらい変わるかは比較してみないとなんとも。ハンガーはしっかりしていて僕程度の踏み込みでは全然たわまない。
  • ハンドル幅を20mm広げたのと、チューブラータイヤの粘りなのかダンシングがしやすい。
  • ペダリングに対する許容範囲が広い。ダンシングでガンガン踏んでも、シッティングでくるくる回しても、「ああ、いいよいいよ」と受け止めてくれる感じ。この感覚は新鮮だった。アルミバイクだと、リズムが合わないと自転車全体が跳ねるような感じがしたが、そういうのがない。
  • ブレーキングの際に、リムとブレーキシューの相性なのか特にフォーク周りがビビる。操舵系が1インチスレッドの為なのか、ホイールのスポークが細いのでホイールの剛性が足りないのか。ここはちょっと不満なところ。
  • バイク全体の重心が高い。スローピング→ほぼホリゾンタルに乗り換えたためか?

これからどうしたい?

  • ダンシングの際とブレーキングの際にフロントの剛性にやや不安だなぁと思うことがあるので,強いて言うならフォーク&ステムをスレッドにしたい.まぁ1インチなので,現代の自転車のようなフロントの剛性感は望むべくもないのだろうが。
  • ハンドルの幅は400mmに戻した方がいいか思案中。
  • STIレバーのブラケットカバーがそろそろダメになるので、今後ドライブトレインをどうするか考え中。9段で行きたいのだが。(一応予備部品が1組だけある。)

9年もののロードバイクをフラットバーロードに改造

2007年に初めて買ったロードバイク。新しい自転車を買いまして、フレームが遊んでいたところに余っている部品やら、新しく買った部品やらを突っ込んでフラットバーロードに改造しました。

改造前

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ブリヂストンアンカーのRA5という自転車です。コンポは4400ティアグラがついていて、ホイールはシマノのR500でした。主に通学に使っていました。よく走り、ロードバイクの楽しさを教えてくれたいい自転車でした。7年くらい乗ってクランクを取り替えたくらいで、ほとんどそのまま乗っていました。

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改造後。できるだけシンプルでメンテや調整を簡便にして、町中を走るのでそんなに高速はいらないだろうとフロントシングルにしてあります。もちろん自分でやりました。ただ、ちょっと後ろブレーキのアウターとシフターのハンドル周りのアウターが短いので、次回のメンテの際にちょっと修正したいなと考えています。普通の運転には差し支えないですが、ハンドルが90度切りづらい。ブレーキケーブルとか早く切れたりしたら嫌だなぁ…。早めに手当てした方が良さそうだな。うん。

  • クランク:Shimano 105 FC-5502 39
  • BB:Dura Ace BB-7710 軸長109.5mm(前2段用)
  • Rディレイラー:Shimano Tiagra RD-4400 SS
  • ブレーキ:Shimano 105 BR-5600
  • シフター:Shimano Sora SL-3500
  • ブレーキレバー:Shimano Sora BL-3500
  • スプロケット:CS-HG50 9 12-25
  • ホイール:Shimano WH-R500
  • タイヤ:Panaracer Category S2

シートポスト、RD、フレーム、ブレーキは使い回し、ハンドルとステムは中古品を、クランクは頂き物というか、知人に格安で譲っていただいたもの。ホイールとシフター、ブレーキレバー、スプロケとチェーンは新品を。結局結構お金がかかってしまった。大体3万円くらいです。場所を取るだけだったものに実用性が出たから良かったのかなと。

これでロードでは怖いが電車では行きにくいところに自転車で出かけられるようになるので、行動範囲が広がります。

<追記>

改造のコツみたいなものをちょっと書いてみようと思います。

基本的には、互換性のある部品をキチンと選んで組めば、基本的なロードバイクの組み立てをやったことがある人であれば、きちんと稼働する自転車が組めると思います。ねじにはすべてキチンとグリスを塗るとか、ワイヤーの長さを適切に調整するとか、ブレーキのセンターをちゃんと出すとか、その辺をキチンとやればキチンと動くはずです。

変速系

最近のロード用コンポ、特にTIAGRA以下のロードスポーツグレードにはフラットバー用のシフトレバーがありますから、それを使いましょう。私の場合は、上に書いているようにShimanoのロード用HG-9の規格で組もうと思った(ロードとホイールの使い回しなどができるように、うちの自転車はすべてHG-9で組んでいます。まぁ、ロードはちゃんぽん組みですが……。)ので、SORAのフラットバー用シフトレバーを買いました。

2016年に発表されたR3000系は分かりませんが、SORA3500のシフトレバーで古い9段の部品(18年前に発売された5500系のクランク、17年前に発売された4400系のTIAGRAのリアディレイラーとスプロケット、チェーン)で組まれた変速系がキチンと稼働しました。

前2段用の軸長のBBを使って、クランクのアウターを取り付ける側にインナーの39Tのチェーンリングをつけています。これですべての後ギアを使えています。乗るときにガッとトルクをかけたりしていないせいか、チェーンホイール側でチェーン落ちするということもありません。心配ならガードをつければいいんではないでしょうか?

ブレーキ

SORAのフラットバー用のブレーキレバーで、5600系の105のサイドプルブレーキを引いています。これもキチンと止まります。多分2000年代前半に作られた新しいレバー比のロード用ブレーキ規格のはずなので、互換性は維持されているはず。レバー側で引き量が調整できるはずなので、そこは説明書を読んで、必ずキャリパー用の引き量の設定にしましょう。

何でもいいですが、とにかくブレーキ本体はいいものを使いましょう。止まるためにはブレーキが必要で、あの前後で400グラムくらいのアルミの塊に、自分と他人の命を預けるわけですから、お金をかけるべきです。

総評

ブレーキのワイヤーなどの微調整をあれからやって、快適に稼働しています。特に、前変速を取り払ったフロントシングルでの運用はきわめて快適です。都市部であまりスピードを出しても周りに迷惑ですから、平地を30キロくらいで巡航可能な39Tという歯数は結構ベストな選択肢だと思います。機械はシンプルなほど壊れにくいものです。ドイツの戦闘機Fw-190を設計したクルト・タンク博士ではありませんが、

「速いだけが取り柄のひ弱なサラブレッド」ではなく、過酷な戦場での使用に耐える「騎兵の馬(ディーンストプフェルト”Dienstpferd”)」
(Wikipedia フォッケウルフ Fw190

たることこそが、日常的に乗られる自転車に求められる要件でありましょう。

ちなみに、私の自転車は9段ですが、補修部品の安さ(チェーン、スプロケット)などを考えると8段がベストだと思います。次に日常乗りの自転車を作るなら、私は8段を選ぶでしょう。

ロードバイクを自分で組んでみた

数年間いろいろと暖めていたロードバイクのセルフアセンブルをやってみました。結論から言うと、自作パソコンと同じく、塗装やディテールまでこだわってプラモデルを作るよりも簡単といった感じでしょうか?案外やればできるものです。工具に結構お金がかかりますが、アーレンキー(六角レンチ)とワイヤーカッターでほとんど事足り、一部BBやチェーン、スプロケットの組み付けに専用工具がいるという感じでしょうか?あ、あとパーツの組み付けにはいちいちグリスを使いましょう。今回はフレームに付属品でついてきたのですが、それは使わず、手持ちのグリスを使いました。

選んだ機種はPanasonicのORC08。鋼、俗に言うクロモリのフレームです。昔はツールドフランスを走ってたんだぜ!カッコいいだろ!です。

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とりあえずブレーキキャリパーだけ取り付けてみた。

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アセンブル途中(コンポーネントの組み付けとワイヤー張りは完了、トランスミッションの調整と最後の仕上げだけが残っている状態)ここまでで7時間くらい。

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トランスミッションの調整に手間取り+3時間で完成。

作業過程でいちいち写真を撮影してはいないのですが、以下やってみた雑感。

整備スタンドが必要か?

最初にヘッドパーツを組み付けたり、ブレーキキャリパーやステム、ハンドルを組み付けたりといったときには必要ですが、力のいるBB取り付けやクランク取り付けなどは床にディスプレイスタンドを置いてやっていました。トランスミッションの調整は床に置かずに整備スタンド上でやれば良かったかもしれません。腰が痛かったので。

教材

前回ホイールを組んだときにも参考にしたサイクルメンテナンスのDVDです。組んでる最中は何度も見返しました。

フレームサイズの決定

フレームサイズも自転車屋に選んでもらうのではなく、今ある自転車のサイズを測って決めました。
具体的には…
BBセンター - 座面距離を測定
ホリゾンタル換算トップチューブ長を測定
ホリゾンタル換算シートチューブ長を測定
今ある自転車のジオメトリー公称値をチェック
要するに腰と手、足の位置を今の自転車と一致させられるようにフレームサイズを選びました。

ちなみに
身長163cm
股下75~6cm

でフレームサイズ500mmにしました。今のところ問題なく走っています。

難しかったところ

– トランスミッションの調整(10速用のFDを9速に使っていたせいかシビアで…。)
– ケーブル長のセッティング(美観も考えると、ケーブル長の決定は経験がいるなぁと思います。作業自体はケーブルカッターをきちんと使えば底まで難しくはなさそうな…。)
– BBの取り付け(まっすぐ入れるのに以外と手間取った。)

結局

最初にも書きましたが、工具を揃えるのにお金はかかりますが、多少工具の使い方を知っていたり、機械の組み立てをやったことがある人なら、できると思います。自分で組み立てると色々分かります。例えばシフトワイヤーよりもブレーキワイヤーの方が太いんだなぁとか、ブレーキワイヤーとシフトワイヤーのアウターワイヤーって全然構造が違うんだなぁとかです。自分で組めば愛着も涌きますし、是非ともやってみてはいかがでしょうか?

 

 

8年目のSPD

ロードバイク歴8年目にして、ついにSPDペダル&シューズを導入してみました。大体使い始めて2ヶ月くらいの感想です。

選ばれたのは、SPDペダルはシマノのPD-A530でした。

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片面がフラットペダルになっている物ですね。おそらくこれまでのペダルよりも重いのでしょうが、その辺は正直実感出来ませんでした。そして、前まで使っていたペダルよりもフラット面が使いやすかったです。

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シューズはNorthWaveのハマー。MTB用のシューズみたいですね。普段お世話になっている自転車屋さんにシューズの発注に行ったら、出戻り品を安くしてくれたので、決めました。

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さて使ってみた感じ。うん。快適。足を回すという感じは分からないのですが、ダンシング(立ちこぎ)したときにダッシュのごとく足を引っ張りあげるように漕げるのが興味深い。ダッシュの時にはハムストリングスを使うらしいので、SPDペダルを使うとハムストリングスが使えるようになるというのは本当でしょうね。普通の靴で乗るとペダルは「踏む」感じになるのですが、確かにペダルを「踏む」だけでなくなる感じがするのが面白いです。

普通の靴で乗ったときのペダリング(足のどの位置に力をかけるか、足の親指の付け根が理想だといわれる)も矯正される感じになります。良い変化なんだけど、踏むときのQファクターが小さくなって(ペダルの真ん中を,足の親指の付け根で踏み込む)、靴のかかとが内側にずれたときにかかとをチェーンステーをこすったりしだします。

SPD未経験者が最も心配するであろう立ちゴケですが、今までに2回しています。最初は乗車開始十分ほどで外れずにコケ、もう1回は交差点でいきなり出てきた歩行者に急ブレーキをかけてからコケました。しかしそれ以来コケてはいません。クリートの外し方が問題というよりは状況判断が重要という感じがするので、普通の靴で自転車のあしらいをある程度覚えている人なら、マルチリリースクリートなんて使う必要はないと思います。とにかく先を読んで、スピードをゼロに近くしないとダメそうなら、早めにペダルからクリートを外すように心がければコケはしないと思います。

SPDペダルとシューズはフレームやホイールを買い換えるよりも、低価格の投資で劇的に自転車ライフが変わる一品だと思います(車で言うとエンジンをいじるようなもんですからね)。この記事が自転車初心者の一助になれば幸いです。

自転車のホイールを組んでみた! その4 完成編

前:その3 作業編

2日間、おそらくは10時間近くの悪戦苦闘の後に人生初めての手組ホイールが完成。肩が凝りました。しかしホイールだけでは走れません。タイヤやらチューブやらが必要です。

リムフラップ(ホイールとチューブの間に入る樹脂,あるいは布製のテープみたいなもの)とタイヤ、チューブがなかったので買いにいったら、リムフラップを間違えて650Cのやつを買ってしまい、結局手持ちの、ちょっと古い物を流用しました。持っておく物ですねぇ…。

ということで、完成!前後とも綾は6本で取りました。3クロスというやつですね。見た目は完全にママチャリ用のホイールを細くした感じ。重量は、はかりがないので量っていません。多少軽くなってくれてるといいんですが…。肝心の乗り味は、いいですね。ハブがいいのか、舗装のいい道路だと本当に氷の上を滑っているかのごとく走ります。リムが軽くて慣性モーメントが小さいのか、加速もいいです。時速60kmで坂を下っても、安心してコントロールができます。当初のもくろみ通り、地味だが頑丈で素性がよく、走って楽しいホイールができました。

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スペックは以下の通り。

  • 前輪
    ハブ:Shimano Ultegra HB6700 32H
    リム:Mavic Open Pro Silver 32H
    スポーク:星 #14 ストレートスポーク
    組み方:イタリアン6本取り
  • 後輪
    ハブ:Shimano Ultergra FH6700 32H
    リム:Mavic Open Pro Silver 32H
    スポーク:星 #14 ストレートスポーク
    組み方:イタリアン6本取り

マビックのオープンプロがいいよと言われるわけが分かったのが、ホイールバランス(リムの円周方向の重量のばらつき)でした。シマノのR500の場合、前後で20グラムくらいおもりを足さないとホイールバランスが取れなかったところ、このホイールはほとんど取る必要がありませんでした。ああ、これが精度がいいということか、と膝を打った次第です。

正直、余り高そうには見えません。走るだけなら絶対完組のホイールを買った方が楽には違いありませんが、ものは買うだけ、作れば技術も身につく。お金も時間もかかったけど、やって良かったなぁと思いました。正直楽しかったです。

ということで皆さんも是非、レッツホイール組み!

 

自転車のホイールを組んでみた! その3 作業編

前:その2 パーツ収集編

何度も本を読み、DVDを見て、実際にパーツを取り出してイメージを膨らませ、その辺にある自転車のホイールを観察し、理屈を何となくつかんだ後に作業開始。

詳しくは割愛しますが作業中迷った点。
・寸法を正確に計るのは大変だが、まぁスポーク長が大きく外れなければ特に問題はない。
・振れ取り時のニップル回しの向きはネジと反対になります。左に回すとしまり、右に回すと緩む。これを間違えてぐちゃぐちゃにしてしまった。
・ホイールセンター(ホイールを使う向きに立てたときに、リム全体が中心を通っているかどうかを表す)という物がよく分からずにホイールセンターが出せなくて、最初は後輪がはめられなかった。一回失敗してやっとこどういう意味か理解できました。おかげでホイールセンターの重要性がよく分かりました。失敗は成功の母。
・スポークの緩み止めの付け方にはコツがある。何本かまとめて容器にドブ漬けし、その後スポーク同士をゴシゴシして、余計な分を落とす、とやるといいみたい。

要するに悪戦苦闘でした。技術というのは、「身につける」ものだなぁと改めて実感するものでした。

やっているうちに、ホイールを組むということは、いわゆる縦振れと横振れ、ホイールセンターに全体の平均スポークテンションの調整をすることなんだなと理解ができました。このバランスが取れていることが「ちゃんと組めたホイール」ということなので、リム、スポーク周りのホイールのメンテナンスはこれらのパラメータを、ニップルを回して調整することなんだなというのがよく分かりました。確かに、ホイールを組めば手入れの仕方はよく分かります。まだ1セット2本しか組んでませんけどね。

これに関しては,まさにこの動画に語られている通りでした.

さて次は完成です。
次:その4 完成編