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独断と偏見による自転車沼のはまり方 -初心者向けアップグレード指南-

前提

  • 対象はロードバイクとする。
  • 既に1台持っているとする。ライト、反射板等一般的な保安機器は導入済みとする。

このようなバイクオーナーが、次はどこからお金を掛けるのが良いのか。フレーム、あるいは自転車全体を買い換える前に、お気に入りの自転車のどこをいじるか?を考えてみたい。最初の1台とあれこれ付き合ってみて自分の好みが見えてくれば、さっさと買い換えるよりも納得のいく2台目が見つかるはずである。

安全・快適

ロードバイクはちょっと慣れてくれば平気の平左で時速40kmとか出てしまうものである。名誉の負傷という言葉もあるが、自分の楽しみでやっている趣味でケガをしたり死んだりするのは本末転倒、大けがや死亡事故のリスクを下げるため、安全にはお金を掛けるべし。あと、乗るのが嫌にならないように、快適性を追求するのも悪くないと思われる。

  • ブレーキキャリパー:速い人も、遅い人も、ブレーキは指二本あるいは三本でかける。ブレーキングは技術体力よりも機材に依存するところが大きいため、投資効果大。レバーの方はただのテコなので握力に負けない剛性があれば十分だが、キャリパーの剛性が足りないとホイールとの間で振動したりして怖い。いいものを使っておけば、新しい自転車に移植も可能。
  • ヘルメット:高いほど軽くて頑丈、あるいは同じ頑丈さで軽い。ロードバイクは前傾姿勢なので、頭は軽いほど首への負担が小さく快適。
  • ハンドル、ステム、サドル:人体との接触点。これは高いものというより自分にあったものを探す方が良い。正解は自分の体に聞くしかない、安いものを色々試すべし。

動力伝達

多くの格闘技やスポーツにおいて、強い力をどう出すかというと、地面を支点にして全身の筋力を骨格と関節を通じて力点(拳、バット、ラケット)に伝えることで出す。自転車は逆に、全身の筋力をフレーム、ホイール、タイヤを通じて地面に伝えることで運動エネルギーを生み出す。ということなのでとりあえず始点と終点にお金を掛けてみよう。

  • クランクとチェーンリング:クランクは動力伝達の始点。高いものほどがっしりしていて力の伝達効率が良い。前変速はギアサイズの落差が大きくて、基本的にお金がかかってるほどよくなる(チェーンリングの製造に硬い金属を精密に削る等コストがかかる加工を行うため)。
  • タイヤ:動力伝達の終点。地面と自分の間にあるもの、止まるも走るもここが大事。自転車とはつまるところ、自分の筋力をタイヤに伝える道具なのである。あと、消耗品にお金を掛けられるのはブルジョアの証。
  • ビンディングペダル+シューズ:確かに乗りやすくなる。高い自転車で立ちゴケすると悲惨なので、最初に買ったエントリーモデルで扱いを学ぶのは悪くない。

重量の軽減

  • ホイール:大きくて重量があるため、最初に着いてくるものから良いものに変えると数百グラム軽量化できる。いいものは次の自転車に移植できる。ただ、フレームの次に高い。あと、高いものはあくまで「レース用の機材」であることは忘れないでいたいものである。余らせておくと自転車が生えるので要注意。

逆にあまり優先度は高くないもの

  • サイクルコンピュータ:なくても乗るのに支障はないため、必須ではない。あまり速度を出すことに縛られても自転車に乗る楽しみは損なわれる気もする。走った距離が見えるのは結構面白いかも。
  • 前後の変速器:3速(ママチャリ)→8速(クラリス)までは変速段数が2.6倍だが、8速(クラリス)→11速(105以上)はたかだか1.38倍である。別に変速系統が変わったところで、急に速くなったりはしない。後の変速はギアの落差が小さくコンポのグレードでそこまで大きな性能の差がでない。ということで、自転車を買い換えるときにまとめて替えてもいいのではなかろうか?推奨はされないが、仮に9,10速を使っている場合、クランクだけ11速に替えても調整次第で割と動いたりするものである。レース機材として使う場合はメーカー推奨の組み合わせにした方がいいかもしれないが。

ということで、この記事を読んでちょっとここいじってみようかななんて思った人は自転車沼にようこそ。筆者が書いたこの記事の内容に嘘偽りはないが、所詮は趣味で10年くらいロードバイクに乗っているだけの人間の言っていることであることだけは、心の片隅に置いておいてもらいたい。とはいえ、僕がこの記事を書くことで儲かるわけではないので、自分への利益誘導のために書いていないこともまた事実である。