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お散歩用フラットバーロードに手組ハブダイナモホイールを

ここ最近は乗る機会がガクンと減りましたが、15年近く手元にある現在のお散歩バイク。もっと利便性を高めるべく、比較的安価な部材でハブダイナモホイールを組んでみました。

部材

  • リム:Kinlin XR-19W 32H
  • 前輪ハブ:DH-C2100 32H
  • 後輪ハブ:FH-R300 32H
  • スポーク:星 ステンレス 2.0mm (#14)
  • ライト:LP-C2250

組み立て

ホイールの組み立てはハブの寸法さえ得られれば特に何ということもなく組み上げられました。後輪のハブFH-R300は今や希少な10速寸法のハブなのでスポークテンションのバランスが取りやすく、組みやすかったです。リムのXR-19Wも、継ぎ目こそスリーブジョイントですが安価なMavic Open Proという感じで精度も剛性も良好。

各寸法

  • 前輪
    • XR-19W ERD=597mm
    • DH-C2100
      • センター-左右フランジ=29mm
      • PCD=60mm
    • 左スポーク長=289mm
    • 右スポーク長=289mm
  • 後輪
    • XR-19W ERD=597mm
    • FH-RS300
      • センター-左フランジ=35mm
      • 左フランジPCD=45~46mm
      • センター-右フランジ=19mm
      • 右フランジ=45m
    • 左スポーク長=292mm
    • 右スポーク長=290mm

車両への組み付け

ライトはハンドルに取り付け。ライトから出ているケーブルはライト側から出ているケーブルをハブの端子に接続する部分が、ちょっと所見では分かりにくかったです。リアディレイラー用のアウターケーブルに巻き付けて長さを調整し、フロントフォークに2回くらい巻いてタイラップで留めました。外側に余裕を持たせて、内側はきっちりフォークに沿わせる形に。

走った感じ

車体が非常に高剛性で路面からの衝撃や振動を拾いやすいので、本数多めの手組ホイールとの相性は良いです(一番乗り心地に影響を与えるのは当然タイヤの空気圧ですが)。ハブダイナモホイールは0.6W出力なので、走っていても特に抵抗感を感じません。一度に何十キロも走る自転車ではないので、出力をライトに吸われることによる疲労の増大も問題ないでしょう。とにかく夜間に電池式ライトの電池が切れても近くのコンビニまで自走出来るこのホイールはこの自転車の実用性をさらに高めてくれるはずです(現行品の安価な部品を使っているので、最悪ホイールを盗まれても被害が小さい)。

  

ロードバイクのフロントフォーク交換 1 ジオメトリーの研究

動機

昨年1年浮気したりしましたが、僕の決めた自転車は道楽号=PanasonicのORC-08です。そんな道楽号に前からやってみたかったのがベンドフォークからストレートフォークへの交換です(見た目がCo○nagoっぽいのカッコいいなぁというミーハーな動機)。直接伺ったことはないんですが、某Am○ndaの千葉さんによれば、「フロントフォークは走ると止まるを決める自転車の命、特に剛性が極めて重要」ということなので、これを鵜呑みにして色々と物色してみると、Wound Upというアメリカのメーカーのものが、カーボン、ストレート、高剛性と要求を満たしそうな予感。しかもオフセットが48ミリまで選べる。特にフォークオフセット(フォークコラム延長線からフォークが何ミリ前に出ているか)やヘッド角は操舵性に強い影響があるので適当には選べないらしい……ということなので研究してみました。

フォークオフセットとトレールの関係

自転車(というか二輪車全般?)のフロントセクションにはトレールという数値が非常に重要ということのようです。下図にあるようにフレームを横から見て、前輪の車軸から垂直に下ろした線とヘッドチューブの延長線が地面で作る寸法の差分だそうで、短いほど運動性や操舵性が上がり(ハンドルの切れ方がピーキーになり)長いほどその逆で直進安定性が良くなるということのよう。オフセットを長くするとトレールは短くなり、短くすると長くなる(ヘッド角にも依る)と言うことのようです。アンカーによれば、ロードバイク向けのトレールの理想値は55-58mm、許容値は50-64mm。たかだか1.4cmの長さの違いで乗り味がかなり変わるという事みたいです。

ジオメトリーの研究

道楽号の実家であるPanasonicサイクルテックのサイト を参考に(道楽号はサイズ500)、bicycle calculator でパラメータをいじってジオメトリーを再現すると大体こんな感じ。フォークの寸法は公開されていないので、後述の通りパナソニックサイクルテックに問い合わせました。

道楽号ジオメトリー再現 出典:Bicycle Calculator

トレールは66mm。小さいサイズはフロントセンターを確保しつつ、ヘッド角やフォークオフセット等で工夫が必要なため、設計が難しいという話を聞きますが、割と長めのトレイル。しかしこういう風にジオメトリーをじっくり眺めてみると、PanasonicのPOS、サイズは10mm単位で指定できるけどフォークはオフセット46mmの1種類という事みたいですね。この点でいうと、フォークのオフセットを3種類くらい用意しているアンカーの方がきめ細かいことをやっていると言えそうです。

さて、もう少し突っ込んで研究してみたいと思います。フォークの肩下寸法の違いによるヘッドアングルの変化も考えておきたいところです。パナソニックサイクルテックに問い合わせてみると、このクロモリフォークの肩下寸法はブレーキ穴-ホイールアクスルで計り、357.5mmということです。ブレーキ取り付け穴中心から下玉押し取り付け部までの長さは約8mmなので、レース-ホイールアクスル間高さは365.5mm、他方、Wound Up Road XフォークのBrake Heightは354mm、Race Height368mmとあります。フォークの仮想ブレード長さは三平方の定理で計算できるとして、これを入力してみると…

オフセットを48mmにしてみるとヘッド角が0.3度立ち、トレールが62mmとアンカー的許容値の方向に行くようです。
オフセットを45mmにしてみるとヘッド角が0.1度寝て、トレールが68mmと伸びます。
不確定要素はありますが、アンカーが言うところのロードバイク的な味付けにするなら48mmが良さそうです。

道楽号+WoundUp 48mm 出典:Bicycle Calculator
道楽号+WoundUp 45mm 出典:Bicycle Calculator

余談

しかしORC-08(現在の型番だとFRCC02)、サイズ500だとBBドロップ(ペダリングの安定性を決めると言われる)が64mmなんですね。長期間乗ったことのあるアンカーのRA5が70mmという事なので6mmも高い。ORC-08から感じた、「腰が高い感じ」はほぼホリゾンタルフレームであるということよりも、ここから来てるんでしょうかね

結論

フォークの交換というアイデアから色々ジオメトリーについても勉強することができました。次の自転車を買うのがいつになるか分かりませんが、それを選ぶ際にも、より踏み込んだ選び方ができそうです。

クロモリバイクにフロントダブルレバーで自転車道楽

かねてから計画していた道楽号(クロモリロード)のフロントWレバー改造を実施するときが来ました。

ということで作業完了。

横から見るとこんな感じ。普通は左右で異なるブレーキレバーは使いませんので、割と独特の見た目。

フロント変速はコンセプト通りWレバーSL-7700。前はインデックスではないんですね。トリム調整が無段変速になるので便利ですが、走行中に調整するのはちょっと面倒そう。まぁフロント変速はあんまり使わないので、というのがこの改造のコンセプトではあるので。

左のブレーキレバーは、シマノalfineのBls-705l。珍品の新品をヤフオクで入手して取り付け。右は、別途入手していた新品のST-4500か4501。オプティカルギアディスプレイが結構便利。見ながらギアを決めるというより、ギアがあと何枚くらい残っていそうか把握するのに使うのがよさそう。輪行の際に自転車ひっくり返すとちょっと面倒そうですが。

同時にハンドルをDixna J-fit Classicの400mmに変更。私、背は低いですが肩幅が結構あるので、420mmが案外合ってるんじゃあないかなと思いますが、変更してみます。

ちょっと20kmほど走ってきてみた感想としては以下の通り。

– 普通に動く。
– 横から見ると高さが合っているように見えるが、持った感じやや右のブラケットがしゃくり気味、ちょっと調整しないと。
– 補修部品に余りが出るので後々不便そうな感じ。ブラケットカバーを2種類用意しないといけないのがね。
– 400ミリのハンドルはダンシングしにくいが、ハンドル周りに剛性感を感じる。

まぁ、自転車は自転車本体に金をかけるよりも、ローラー台なり、走りに行くなりで時間を直接投入するのが一番なんですよね。車体に一定の水準があれば、あとは自分の体が全てです。

『ロードバイク本音のホイール論』著:田中良忠、吉本司

シマノでホイールの設計をやっていて、現在は独立されてSacraCyclingというメーカーでリーズナブルなカーボンホイールを販売している田中良忠さんが、自身のホイールについての考え方を書いた本。あと、吉本さんという方がタイヤやらホイールやらについて語っています。

なにせ

シマノのホイールの頑丈さは、自信を持って断言できます。というのも、耐久試験規格を作ったのは私だからです。日本人が走行疲労だけでシマノのホイールを壊すのは、まず不可能です。

なんて書いてある。パワーワードというネットスラングがありますが、本書においてはこれがまさにパワーワードでしょう。そういえば、クロスバイクについてきた手組みホイールはスポークの首が飛んだんですが、シマノのR500はそれ以上に使ったにもかかわらず壊れなかったなぁという実体験を思い出しました。

とりあえず、「速く走るにはどういうホイールを選ぶべきか」という基準で論が展開されていて、速さを競わないロングライド指向の一般のライダーも、速く走れれば早く遠くまで行けるので、速く走れて損はないのですよね。乗り心地や過剛性という問題に対しては、タイヤや、ペダルといった小さくて安い部品で調整しましょうという言い方がされていますし。全体として、工学(特に機械工学)である程度断言できる部分(細かい数式なんかは全然入っていませんが)と、フィーリングで人によって異なる部分をキチンと分けて書かれていて誠実な印象があります。

田中さんの主張によると、とりあえずホイールは「リム」。「剛性=ヤング率」が重要で、その点アルミリムは価格とブレーキ時の熱容量以外でカーボンリムに対して優れるところはなし。予算が許せば、ミドルーハイハイトのカーボンホイールが良い、ということのようです。また、リム重量を追求するのは良いが、限度がある、とも。ホイールの本でありつつタイヤの重要性が説かれており、クリンチャーが良くなっていると言いつつ、チューブラーも否定していません。チューブラー、たしかに乗り心地いいんですよね。ちなみに、タイヤの空気圧も重要だそうです(これは今度やってみよう)。カップアンドコーンベアリングはクイックの締め具合調整が結構難しいらしく、シールドベアリング使用のハブの方が無難とのこと。

Amazonのレビューでは毀誉褒貶ありますが、とにかくサクッと読めますので、自転車のホイールに興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか?

独断と偏見による自転車沼のはまり方 -初心者向けアップグレード指南-

前提

  • 対象はロードバイクとする。
  • 既に1台持っているとする。ライト、反射板等一般的な保安機器は導入済みとする。

このようなバイクオーナーが、次はどこからお金を掛けるのが良いのか。フレーム、あるいは自転車全体を買い換える前に、お気に入りの自転車のどこをいじるか?を考えてみたい。最初の1台とあれこれ付き合ってみて自分の好みが見えてくれば、さっさと買い換えるよりも納得のいく2台目が見つかるはずである。

安全・快適

ロードバイクはちょっと慣れてくれば平気の平左で時速40kmとか出てしまうものである。名誉の負傷という言葉もあるが、自分の楽しみでやっている趣味でケガをしたり死んだりするのは本末転倒、大けがや死亡事故のリスクを下げるため、安全にはお金を掛けるべし。あと、乗るのが嫌にならないように、快適性を追求するのも悪くないと思われる。

  • ブレーキキャリパー:速い人も、遅い人も、ブレーキは指二本あるいは三本でかける。ブレーキングは技術体力よりも機材に依存するところが大きいため、投資効果大。レバーの方はただのテコなので握力に負けない剛性があれば十分だが、キャリパーの剛性が足りないとホイールとの間で振動したりして怖い。いいものを使っておけば、新しい自転車に移植も可能。
  • ヘルメット:高いほど軽くて頑丈、あるいは同じ頑丈さで軽い。ロードバイクは前傾姿勢なので、頭は軽いほど首への負担が小さく快適。
  • ハンドル、ステム、サドル:人体との接触点。これは高いものというより自分にあったものを探す方が良い。正解は自分の体に聞くしかない、安いものを色々試すべし。

動力伝達

多くの格闘技やスポーツにおいて、強い力をどう出すかというと、地面を支点にして全身の筋力を骨格と関節を通じて力点(拳、バット、ラケット)に伝えることで出す。自転車は逆に、全身の筋力をフレーム、ホイール、タイヤを通じて地面に伝えることで運動エネルギーを生み出す。ということなのでとりあえず始点と終点にお金を掛けてみよう。

  • クランクとチェーンリング:クランクは動力伝達の始点。高いものほどがっしりしていて力の伝達効率が良い。前変速はギアサイズの落差が大きくて、基本的にお金がかかってるほどよくなる(チェーンリングの製造に硬い金属を精密に削る等コストがかかる加工を行うため)。
  • タイヤ:動力伝達の終点。地面と自分の間にあるもの、止まるも走るもここが大事。自転車とはつまるところ、自分の筋力をタイヤに伝える道具なのである。あと、消耗品にお金を掛けられるのはブルジョアの証。
  • ビンディングペダル+シューズ:確かに乗りやすくなる。高い自転車で立ちゴケすると悲惨なので、最初に買ったエントリーモデルで扱いを学ぶのは悪くない。

重量の軽減

  • ホイール:大きくて重量があるため、最初に着いてくるものから良いものに変えると数百グラム軽量化できる。いいものは次の自転車に移植できる。ただ、フレームの次に高い。あと、高いものはあくまで「レース用の機材」であることは忘れないでいたいものである。余らせておくと自転車が生えるので要注意。

逆にあまり優先度は高くないもの

  • サイクルコンピュータ:なくても乗るのに支障はないため、必須ではない。あまり速度を出すことに縛られても自転車に乗る楽しみは損なわれる気もする。走った距離が見えるのは結構面白いかも。
  • 前後の変速器:3速(ママチャリ)→8速(クラリス)までは変速段数が2.6倍だが、8速(クラリス)→11速(105以上)はたかだか1.38倍である。別に変速系統が変わったところで、急に速くなったりはしない。後の変速はギアの落差が小さくコンポのグレードでそこまで大きな性能の差がでない。ということで、自転車を買い換えるときにまとめて替えてもいいのではなかろうか?推奨はされないが、仮に9,10速を使っている場合、クランクだけ11速に替えても調整次第で割と動いたりするものである。レース機材として使う場合はメーカー推奨の組み合わせにした方がいいかもしれないが。

ということで、この記事を読んでちょっとここいじってみようかななんて思った人は自転車沼にようこそ。筆者が書いたこの記事の内容に嘘偽りはないが、所詮は趣味で10年くらいロードバイクに乗っているだけの人間の言っていることであることだけは、心の片隅に置いておいてもらいたい。とはいえ、僕がこの記事を書くことで儲かるわけではないので、自分への利益誘導のために書いていないこともまた事実である。

ヒラメのポンプヘッド そして

自転車マニアの一里塚、「ヒラメのポンプヘッド」を導入してみました。漏らさず空気が入るというアレです。たかだか空気入れの先っちょのパーツに4000円前後を払えるかというアレです。ディスクホイールを使うことは生涯ないでしょうから、ちょっと安く、カムの部分が頑丈そうな縦カムを買いました。

大学1年生の時、クロスバイクと一緒に買ったパナレーサーの空気入れに別れを告げ、Lezyneの鉄のポンプも買いました。ということでアセンブルしてこんな感じ。

使い心地は最高です。全く空気が漏れる感じがなく、確実に空気が入ります。二度書きますが、使い心地は最高です。

しかし、アレ?ポンプ付属のメーターが戻らない。多分空気の逆流なりなんなりを使ってリセットしているのか、送気効率の良いヒラメのポンプでは上手く動作しないようです。なんかポンプの方をいじればこの状態が解消されるのでしょうか?現在は何となくで済ませていますが、ちょっと気になるところです。まぁ、そもそも校正かけてない計器だしなぁ。

ちなみにこれ、アマゾンでは買ってはいけません。せいぜい3000円台から4000円台前半。大都市にあるスポーツバイクの専門店で問い合わせるのが一番でしょう。小さいお店でも扱ってるかもしれません。二度書きますが、決してアマゾンで買ってはいけません。あなたがよほどの離島とかに住んでいるのでもない限り、5000円出す必要は全くありません。

Panasonic ORC-08

コンセプト

「道楽」

鉄フレーム、前後別グレードのブレーキ、チューブラーホイール/タイヤ、カッコいいと思う部品の使用(クランク、リアディレイラー、シートポスト、前後ホイール)と、構想3年の自転車道楽を詰め込んだつもり。色々手を加えてみたいところ.

自分の中でロードバイク、というものの基準を作ろうと組んでみた自転車。これを基準に、軽い、剛性感がある、コントロールしやすい、ブレーキが効きやすい、など自分なりの自転車に対する相場観を身につけたいところ。

各部品を更新しました。ますます何がやりたいのか分からない部品構成になりました。420→400mmにハンドル幅を変更した結果、ちょっと窮屈な感じはしますが、ハンドル周りの剛性感は高くなりました。

パーツ構成

カーボンの部品をほとんど使っていない。サイコンをマウントしているエクステンションバーにちょっとカーボンパイプが使われているくらい。完全に一昔前のロードバイクである。別にアナクロ趣味ではないが、カッコいいと思う部品を集めたらこうなった。

フレーム:Panasonic ORC-08 (ORC0xシリーズ 2015年モデル) サイズ:500mm(前三角:タンゲプレステージ、後三角:カイセイ022 らしい)
フォーク:Panasonic クロモリフォーク(スレッド)
ヘッドパーツ:Shimano Dura Ace HP-7410
STI(右):Shimano 105 ST-5500 → Shimano Tiagra ST-4501
ブレーキレバー(左):Shimano 105 ST-5500 → Shimano Alfine BR-S705L
シフトレバー(前):Shimano 105 ST-5500 → Shimano SL-7700
前ブレーキ:Shimano Dura Ace BR-9000
後ブレーキ:Shimano Ultegra BR-6800
サイコン:GIANT Continuum Sync
ハンドル:dixna J-fit 420mm → dixna J-fit 400mm
ステム: Nitto UI-2 100mm
シートポスト: Shimano Ultegra SP-6600
サドル: Fizik Arione K:ium
クランク:Shimano Ultegra FC-6600
チェーンリング:Ultegra 6600 52-39
ペダル:Shimano PD-A530
FD:Shimano FD-7800
RD:Shimano RD-7800 SS
スプロケット:CS-6500 12-25
フロントホイール:手組中古品(Dura Ace HB-7400 32H +星#15-16スポーク + ARAYA Prostaff 400)
フロントタイヤ:Vittoria Corsa CX2 21mm
リアホイール:手組銀輪二号(Campagnolo Record 32H + DS星#14 NDS星#14-15 + Ambrosio Montreal Silver)
リアタイヤ:Vittoria Rally 21mm

質量:約9.8kg

走った感じ(いわゆるインプレ)

  • とにかく気持ちよく走る。1時間くらい走って体が温まってくると、平地だとどこまででも走って行けそうな気がしてくる。実際のところはちゃんと疲れてくるんだけど。
  • 本格的な坂は上ったことがないので分からないが、重さ的にはあんまりRA5と変わらないはず。他人と競い合っているわけではないのと、無駄なウエイトは体重に含まれていると思っているので,自転車の質量は余り気にしていない。
  • RA5に比べると多少もさっとした感じは受ける。アルミバイクがガスガス加速する感じなのに対して、こいつはギュンギュン加速するという感じか。実測した加速時間でどれくらい変わるかは比較してみないとなんとも。ハンガーはしっかりしていて僕程度の踏み込みでは全然たわまない。
  • ハンドル幅を20mm広げたのと、チューブラータイヤの粘りなのかダンシングがしやすい。
  • ペダリングに対する許容範囲が広い。ダンシングでガンガン踏んでも、シッティングでくるくる回しても、「ああ、いいよいいよ」と受け止めてくれる感じ。この感覚は新鮮だった。アルミバイクだと、リズムが合わないと自転車全体が跳ねるような感じがしたが、そういうのがない。
  • ブレーキングの際に、リムとブレーキシューの相性なのか特にフォーク周りがビビる。操舵系が1インチスレッドの為なのか、ホイールのスポークが細いのでホイールの剛性が足りないのか。ここはちょっと不満なところ。
  • バイク全体の重心が高い。スローピング→ほぼホリゾンタルに乗り換えたためか?

これからどうしたい?

  • ダンシングの際とブレーキングの際にフロントの剛性にやや不安だなぁと思うことがあるので,強いて言うならフォーク&ステムをスレッドにしたい.まぁ1インチなので,現代の自転車のようなフロントの剛性感は望むべくもないのだろうが。
  • ハンドルの幅は400mmに戻した方がいいか思案中。
  • STIレバーのブラケットカバーがそろそろダメになるので、今後ドライブトレインをどうするか考え中。9段で行きたいのだが。(一応予備部品が1組だけある。)

往年のチューブラーホイールで車輪道楽 その2 振れ取り、タイヤ取り付け、試走

前回ハブをいじってみて、玉押しも玉も大変きれいと言うことが分かり、狂喜乱舞したわけですが、振れも取ってみました。

……僕の腕と目では縦振れも横振れも問題なさそう。

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……タイヤを取り付けました。タイヤはおごってビットリアのコルサCX。旧モデルなので半額の5000円弱というやつです。せっかくなのでいいものを使ってみようというやつ。

使ったのはリムセメントではなく流行のチューブラーテープ。指示通りに仮留めすると、タイヤのセンターが勝手に出ている(ような気がし)ます。左右のふんどしはみ出ている部分の幅が大体一緒なのです。ちょっといじってみたけれど、まぁいいかと剥離ビニールを外して空気入れ。空気圧を8気圧くらいまで上げます。

タイヤがいいので、指示を守れば簡単に取り付けできるなぁという感じ。リム打ちパンクを気にしなくていい分、チューブラータイヤの方が楽かもしれない。チューブラーテープも一巻きで前後取り付けできるので、後一回分余りました。タイヤごと持って行く必要はあるけれど、予備のタイヤとチューブラーテープを持って行けば、後は高圧の入る空気入れがあればなんとかなるでしょう。普段履きは手組チューブラーにしてしまって、ツーリング、輪行などにクリンチャーを使ってもいいかもなぁなんて思いました。

で乗り心地。荒川のサイクリングロードを40kmほど。
タイヤのせいかホイールのせいか、段差を超えたときの振動がマイルド。高圧で細身のタイヤなので、手組の銀輪一号の前輪と同じようにすいすい走ります。特に走り始めがよく、舗装のいい道を走っているときは本当にスルーっと走って行きます。なんとなく華奢くて剛性が足りないような印象を受けますが、気のせいかもしれません。簡単に帰ってこれないところに行くときは、銀輪一号の方が安心感があるかなぁという感じ。普段トレーニングしたりするときにはこっちがいいなあって感じですかね。あと、コルサCXは空気がとても抜けやすいので、その点でも遠出は難しいですね。

結論から言うと思っていたより面倒もないし、乗り心地は割と良い。チューブラーホイールはロードバイクのホイールとして、普通に使えるように思います(普通に使っている人がいるので当たり前と言えば当たり前だが)。あと…WOのタイヤしか知らないよりは、いろいろと視界が広がるという意味でも、使ってみるのはアリなのではないかと思います。

 

往年のチューブラーホイールで車輪道楽 その1 調達〜ハブ整備編

趣味で自転車に乗っていますが、最近ちょっとやってみたいことがありました。それは、「チューブラータイヤ」を使うことです。解説しますと、自転車のタイヤの1種で、空気を保持する「チューブ」と路面と接触するタイヤが一体になったもので、糊やテープを使ってホイールのリムに貼り付けるタイプのタイヤです。メリットとしては断面が円形をしていることで乗り心地が良いそうです。あと、パンクしてもリムからタイヤが外れないため安全なのだとか。デメリットは、パンクしたらタイヤ毎替えなくてはならないとかあるそうです。昔のロードレーサーはそのチューブラーホイールを使っていたわけですが、最近だとママチャリのようなクリンチャータイヤが良くなってきて、特に一般のロードバイク乗りが使うことはなくなったという製品です。

で、最近どうしてもチューブラータイヤが使ってみたかったのです。面倒ではあるんでしょうが、チューブラータイヤがどういうものなのか、その取り扱いも含めて自転車乗りとしては体験してみたくなったのです。ただ、最近のチューブラーホイールはカーボン製の高価なものが多く、簡単に手が出るものではありません。そこで、自分で組むことを考えてみたのですが、よく考えると昔の中古のチューブラーホイールで状態の良いものを整備して使えば良いのではないだろうかと思い立ちました。ということでネットで中古部品を取り扱っている店を物色して、現物を確かめて調達してきました。

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どん。スペックは以下の通り

  • ハブ:デュラエース7400(前期型)32H
  • スポーク:おそらく星#14-#15 バテッドスポーク
  • リム:アラヤ プロスタッフ400(方々で名品といわれるマビックGP4の対抗品として作られたらしい。400グラムくらいの普段使いのできるリム。)

まさしくこういうのが欲しかったというスペックの品。最初はGP4リムのホイールに目星を付けていたんですが、リムの消耗が激しかったので偶然見つけたこれにしました。

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グレーの表面アルマイト処理が美しい(個人的にはシルバーリムの次に好き)。

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振れ取り(店で確認した限りほとんどふれはなかったように思いましたが)の前にとりあえずハブをいじってみる。見てください!この綺麗な玉押し。店に売る前に前の持ち主が交換整備したのかと言わんばかり。ハブのグリスも切れておらず、ベアリングの玉もピカピカでした。グリスはたっぷりつけておきましたが。

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リムもほぼ新品?これでアンダー5000円。現代のロードレースではレース機材としてほぼ価値のない品物でしょうが、ファンライダーが乗る分には申し分ありません。ハブの状態から考えるに、当時も大切に使われていたのでしょう、余生を全うさせてあげようと思います。

さて、次はリムを調整して、タイヤとテープを調達したら試走です。来週以降のお楽しみということで……。

9年もののロードバイクをフラットバーロードに改造

2007年に初めて買ったロードバイク。新しい自転車を買いまして、フレームが遊んでいたところに余っている部品やら、新しく買った部品やらを突っ込んでフラットバーロードに改造しました。

改造前

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ブリヂストンアンカーのRA5という自転車です。コンポは4400ティアグラがついていて、ホイールはシマノのR500でした。主に通学に使っていました。よく走り、ロードバイクの楽しさを教えてくれたいい自転車でした。7年くらい乗ってクランクを取り替えたくらいで、ほとんどそのまま乗っていました。

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改造後。できるだけシンプルでメンテや調整を簡便にして、町中を走るのでそんなに高速はいらないだろうとフロントシングルにしてあります。もちろん自分でやりました。ただ、ちょっと後ろブレーキのアウターとシフターのハンドル周りのアウターが短いので、次回のメンテの際にちょっと修正したいなと考えています。普通の運転には差し支えないですが、ハンドルが90度切りづらい。ブレーキケーブルとか早く切れたりしたら嫌だなぁ…。早めに手当てした方が良さそうだな。うん。

  • クランク:Shimano 105 FC-5502 39
  • BB:Dura Ace BB-7710 軸長109.5mm(前2段用)
  • Rディレイラー:Shimano Tiagra RD-4400 SS
  • ブレーキ:Shimano 105 BR-5600
  • シフター:Shimano Sora SL-3500
  • ブレーキレバー:Shimano Sora BL-3500
  • スプロケット:CS-HG50 9 12-25
  • ホイール:Shimano WH-R500
  • タイヤ:Panaracer Category S2

シートポスト、RD、フレーム、ブレーキは使い回し、ハンドルとステムは中古品を、クランクは頂き物というか、知人に格安で譲っていただいたもの。ホイールとシフター、ブレーキレバー、スプロケとチェーンは新品を。結局結構お金がかかってしまった。大体3万円くらいです。場所を取るだけだったものに実用性が出たから良かったのかなと。

これでロードでは怖いが電車では行きにくいところに自転車で出かけられるようになるので、行動範囲が広がります。

<追記>

改造のコツみたいなものをちょっと書いてみようと思います。

基本的には、互換性のある部品をキチンと選んで組めば、基本的なロードバイクの組み立てをやったことがある人であれば、きちんと稼働する自転車が組めると思います。ねじにはすべてキチンとグリスを塗るとか、ワイヤーの長さを適切に調整するとか、ブレーキのセンターをちゃんと出すとか、その辺をキチンとやればキチンと動くはずです。

変速系

最近のロード用コンポ、特にTIAGRA以下のロードスポーツグレードにはフラットバー用のシフトレバーがありますから、それを使いましょう。私の場合は、上に書いているようにShimanoのロード用HG-9の規格で組もうと思った(ロードとホイールの使い回しなどができるように、うちの自転車はすべてHG-9で組んでいます。まぁ、ロードはちゃんぽん組みですが……。)ので、SORAのフラットバー用シフトレバーを買いました。

2016年に発表されたR3000系は分かりませんが、SORA3500のシフトレバーで古い9段の部品(18年前に発売された5500系のクランク、17年前に発売された4400系のTIAGRAのリアディレイラーとスプロケット、チェーン)で組まれた変速系がキチンと稼働しました。

前2段用の軸長のBBを使って、クランクのアウターを取り付ける側にインナーの39Tのチェーンリングをつけています。これですべての後ギアを使えています。乗るときにガッとトルクをかけたりしていないせいか、チェーンホイール側でチェーン落ちするということもありません。心配ならガードをつければいいんではないでしょうか?

ブレーキ

SORAのフラットバー用のブレーキレバーで、5600系の105のサイドプルブレーキを引いています。これもキチンと止まります。多分2000年代前半に作られた新しいレバー比のロード用ブレーキ規格のはずなので、互換性は維持されているはず。レバー側で引き量が調整できるはずなので、そこは説明書を読んで、必ずキャリパー用の引き量の設定にしましょう。

何でもいいですが、とにかくブレーキ本体はいいものを使いましょう。止まるためにはブレーキが必要で、あの前後で400グラムくらいのアルミの塊に、自分と他人の命を預けるわけですから、お金をかけるべきです。

総評

ブレーキのワイヤーなどの微調整をあれからやって、快適に稼働しています。特に、前変速を取り払ったフロントシングルでの運用はきわめて快適です。都市部であまりスピードを出しても周りに迷惑ですから、平地を30キロくらいで巡航可能な39Tという歯数は結構ベストな選択肢だと思います。機械はシンプルなほど壊れにくいものです。ドイツの戦闘機Fw-190を設計したクルト・タンク博士ではありませんが、

「速いだけが取り柄のひ弱なサラブレッド」ではなく、過酷な戦場での使用に耐える「騎兵の馬(ディーンストプフェルト”Dienstpferd”)」
(Wikipedia フォッケウルフ Fw190

たることこそが、日常的に乗られる自転車に求められる要件でありましょう。

ちなみに、私の自転車は9段ですが、補修部品の安さ(チェーン、スプロケット)などを考えると8段がベストだと思います。次に日常乗りの自転車を作るなら、私は8段を選ぶでしょう。