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ロードバイクを自分で組んでみた

数年間いろいろと暖めていたロードバイクのセルフアセンブルをやってみました。結論から言うと、自作パソコンと同じく、塗装やディテールまでこだわってプラモデルを作るよりも簡単といった感じでしょうか?案外やればできるものです。工具に結構お金がかかりますが、アーレンキー(六角レンチ)とワイヤーカッターでほとんど事足り、一部BBやチェーン、スプロケットの組み付けに専用工具がいるという感じでしょうか?あ、あとパーツの組み付けにはいちいちグリスを使いましょう。今回はフレームに付属品でついてきたのですが、それは使わず、手持ちのグリスを使いました。

選んだ機種はPanasonicのORC08。鋼、俗に言うクロモリのフレームです。昔はツールドフランスを走ってたんだぜ!カッコいいだろ!です。

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とりあえずブレーキキャリパーだけ取り付けてみた。

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アセンブル途中(コンポーネントの組み付けとワイヤー張りは完了、トランスミッションの調整と最後の仕上げだけが残っている状態)ここまでで7時間くらい。

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トランスミッションの調整に手間取り+3時間で完成。

作業過程でいちいち写真を撮影してはいないのですが、以下やってみた雑感。

整備スタンドが必要か?

最初にヘッドパーツを組み付けたり、ブレーキキャリパーやステム、ハンドルを組み付けたりといったときには必要ですが、力のいるBB取り付けやクランク取り付けなどは床にディスプレイスタンドを置いてやっていました。トランスミッションの調整は床に置かずに整備スタンド上でやれば良かったかもしれません。腰が痛かったので。

教材

前回ホイールを組んだときにも参考にしたサイクルメンテナンスのDVDです。組んでる最中は何度も見返しました。

フレームサイズの決定

フレームサイズも自転車屋に選んでもらうのではなく、今ある自転車のサイズを測って決めました。
具体的には…
BBセンター - 座面距離を測定
ホリゾンタル換算トップチューブ長を測定
ホリゾンタル換算シートチューブ長を測定
今ある自転車のジオメトリー公称値をチェック
要するに腰と手、足の位置を今の自転車と一致させられるようにフレームサイズを選びました。

ちなみに
身長163cm
股下75~6cm

でフレームサイズ500mmにしました。今のところ問題なく走っています。

難しかったところ

– トランスミッションの調整(10速用のFDを9速に使っていたせいかシビアで…。)
– ケーブル長のセッティング(美観も考えると、ケーブル長の決定は経験がいるなぁと思います。作業自体はケーブルカッターをきちんと使えば底まで難しくはなさそうな…。)
– BBの取り付け(まっすぐ入れるのに以外と手間取った。)

結局

最初にも書きましたが、工具を揃えるのにお金はかかりますが、多少工具の使い方を知っていたり、機械の組み立てをやったことがある人なら、できると思います。自分で組み立てると色々分かります。例えばシフトワイヤーよりもブレーキワイヤーの方が太いんだなぁとか、ブレーキワイヤーとシフトワイヤーのアウターワイヤーって全然構造が違うんだなぁとかです。自分で組めば愛着も涌きますし、是非ともやってみてはいかがでしょうか?

 

 

8年目のSPD

ロードバイク歴8年目にして、ついにSPDペダル&シューズを導入してみました。大体使い始めて2ヶ月くらいの感想です。

選ばれたのは、SPDペダルはシマノのPD-A530でした。

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片面がフラットペダルになっている物ですね。おそらくこれまでのペダルよりも重いのでしょうが、その辺は正直実感出来ませんでした。そして、前まで使っていたペダルよりもフラット面が使いやすかったです。

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シューズはNorthWaveのハマー。MTB用のシューズみたいですね。普段お世話になっている自転車屋さんにシューズの発注に行ったら、出戻り品を安くしてくれたので、決めました。

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さて使ってみた感じ。うん。快適。足を回すという感じは分からないのですが、ダンシング(立ちこぎ)したときにダッシュのごとく足を引っ張りあげるように漕げるのが興味深い。ダッシュの時にはハムストリングスを使うらしいので、SPDペダルを使うとハムストリングスが使えるようになるというのは本当でしょうね。普通の靴で乗るとペダルは「踏む」感じになるのですが、確かにペダルを「踏む」だけでなくなる感じがするのが面白いです。

普通の靴で乗ったときのペダリング(足のどの位置に力をかけるか、足の親指の付け根が理想だといわれる)も矯正される感じになります。良い変化なんだけど、踏むときのQファクターが小さくなって(ペダルの真ん中を,足の親指の付け根で踏み込む)、靴のかかとが内側にずれたときにかかとをチェーンステーをこすったりしだします。

SPD未経験者が最も心配するであろう立ちゴケですが、今までに2回しています。最初は乗車開始十分ほどで外れずにコケ、もう1回は交差点でいきなり出てきた歩行者に急ブレーキをかけてからコケました。しかしそれ以来コケてはいません。クリートの外し方が問題というよりは状況判断が重要という感じがするので、普通の靴で自転車のあしらいをある程度覚えている人なら、マルチリリースクリートなんて使う必要はないと思います。とにかく先を読んで、スピードをゼロに近くしないとダメそうなら、早めにペダルからクリートを外すように心がければコケはしないと思います。

SPDペダルとシューズはフレームやホイールを買い換えるよりも、低価格の投資で劇的に自転車ライフが変わる一品だと思います(車で言うとエンジンをいじるようなもんですからね)。この記事が自転車初心者の一助になれば幸いです。

自転車のホイールを組んでみた! その4 完成編

前:その3 作業編

2日間、おそらくは10時間近くの悪戦苦闘の後に人生初めての手組ホイールが完成。肩が凝りました。しかしホイールだけでは走れません。タイヤやらチューブやらが必要です。

リムフラップ(ホイールとチューブの間に入る樹脂,あるいは布製のテープみたいなもの)とタイヤ、チューブがなかったので買いにいったら、リムフラップを間違えて650Cのやつを買ってしまい、結局手持ちの、ちょっと古い物を流用しました。持っておく物ですねぇ…。

ということで、完成!前後とも綾は6本で取りました。3クロスというやつですね。見た目は完全にママチャリ用のホイールを細くした感じ。重量は、はかりがないので量っていません。多少軽くなってくれてるといいんですが…。肝心の乗り味は、いいですね。ハブがいいのか、舗装のいい道路だと本当に氷の上を滑っているかのごとく走ります。リムが軽くて慣性モーメントが小さいのか、加速もいいです。時速60kmで坂を下っても、安心してコントロールができます。当初のもくろみ通り、地味だが頑丈で素性がよく、走って楽しいホイールができました。

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スペックは以下の通り。

  • 前輪
    ハブ:Shimano Ultegra HB6700 32H
    リム:Mavic Open Pro Silver 32H
    スポーク:星 #14 ストレートスポーク
    組み方:イタリアン6本取り
  • 後輪
    ハブ:Shimano Ultergra FH6700 32H
    リム:Mavic Open Pro Silver 32H
    スポーク:星 #14 ストレートスポーク
    組み方:イタリアン6本取り

マビックのオープンプロがいいよと言われるわけが分かったのが、ホイールバランス(リムの円周方向の重量のばらつき)でした。シマノのR500の場合、前後で20グラムくらいおもりを足さないとホイールバランスが取れなかったところ、このホイールはほとんど取る必要がありませんでした。ああ、これが精度がいいということか、と膝を打った次第です。

正直、余り高そうには見えません。走るだけなら絶対完組のホイールを買った方が楽には違いありませんが、ものは買うだけ、作れば技術も身につく。お金も時間もかかったけど、やって良かったなぁと思いました。正直楽しかったです。

ということで皆さんも是非、レッツホイール組み!

 

自転車のホイールを組んでみた! その3 作業編

前:その2 パーツ収集編

何度も本を読み、DVDを見て、実際にパーツを取り出してイメージを膨らませ、その辺にある自転車のホイールを観察し、理屈を何となくつかんだ後に作業開始。

詳しくは割愛しますが作業中迷った点。
・寸法を正確に計るのは大変だが、まぁスポーク長が大きく外れなければ特に問題はない。
・振れ取り時のニップル回しの向きはネジと反対になります。左に回すとしまり、右に回すと緩む。これを間違えてぐちゃぐちゃにしてしまった。
・ホイールセンター(ホイールを使う向きに立てたときに、リム全体が中心を通っているかどうかを表す)という物がよく分からずにホイールセンターが出せなくて、最初は後輪がはめられなかった。一回失敗してやっとこどういう意味か理解できました。おかげでホイールセンターの重要性がよく分かりました。失敗は成功の母。
・スポークの緩み止めの付け方にはコツがある。何本かまとめて容器にドブ漬けし、その後スポーク同士をゴシゴシして、余計な分を落とす、とやるといいみたい。

要するに悪戦苦闘でした。技術というのは、「身につける」ものだなぁと改めて実感するものでした。

やっているうちに、ホイールを組むということは、いわゆる縦振れと横振れ、ホイールセンターに全体の平均スポークテンションの調整をすることなんだなと理解ができました。このバランスが取れていることが「ちゃんと組めたホイール」ということなので、リム、スポーク周りのホイールのメンテナンスはこれらのパラメータを、ニップルを回して調整することなんだなというのがよく分かりました。確かに、ホイールを組めば手入れの仕方はよく分かります。まだ1セット2本しか組んでませんけどね。

これに関しては,まさにこの動画に語られている通りでした.

さて次は完成です。
次:その4 完成編

自転車のホイールを組んでみた! その2 パーツ収集編

前:胎動編

さて、自転車のホイールとは、リム、ハブ、スポークの3つの要素からできています。この組み合わせで性能や何よりホイールの見た目が決まります。さてどうするかと思ったときに、どうも最近は銀色のホイールが少ないらしいという話を聞きました。確かに、手持ちのR-500もリム、ハブ、スポーク全部が真っ黒。売ってるホイールを見ても、全体が銀色という物はありません。ならいっちょやってみるかと、全部銀色のホイールを組むことに。そこから通販サイトを駆使したパーツ収集が始まったのでした。

リム
どうも情報を収集しているとマビックのオープンプロというリムが大変有名らしい。特殊合金、ブレーキ当たり面をCNC研磨、リム継ぎ目は熔接。軽くて剛性が高く、素人が組んでも精度がいいホイールができるとのこと(この段階では精度とは何か?はよく分かっていない)。銀色のものもあるし、これでいいかと通販サイトを物色。調べるうちに、表面がグレーにアルマイト加工されたCDと呼ばれる物もいいなと思い始め、最後まで迷いましたが、結局Chain Reaction Cycles(CRC)というサイト(商品ページ)から銀色のものを通販で取り寄せることに。1あたり国内で買うより2000円程度安く、2本で4000円、結局関税を1800円ほど払ったので、あんまり得にはなりませんでした。12000円くらいの商品に関税が1800円なので、結構税率高いですね。

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ハブ
シマノのハブにすると決めていました。滅多に買う物でもないし、どうせならいい物をということで、ロード用の上位グレードを物色。価格とグレードを見比べた結果、上から2番目のUltegraにすることに。現行モデルは11速でグレーなので、1モデル前の6700という物を探したが、スポーク本数32本の物はどこを見てもない。結局インターネット上を探し回ったあげく、前のハブを国内の通販サイト(どこだったか忘れてしまった…。)と、後ろのハブをリムと同じく海外の通販サイトCRCから購入。

スポーク
通勤とツーリング用で、重くなってもいいから頑丈なやつをと国産、星工業製の太さ2mmのスポークを購入。ホイールとハブの寸法から長さを決めなくてはならないので、買ったのは一番最後になりました。ちなみに買ったのはタキザワサイクルというお店(URL)。結構地元の有名店らしいです。カタログを一緒に送ってくれました。昔の名残かな?インターネットは小売りを変えたんだなぁと思ったものでした。

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工具 面倒なので、ほとんどAmazonで買いました。いずれも必要十分、万全に働いてくれました。残りの工具は手持ちのものを使いました。
振れ取り台 → 折りたためるミノウラの振れ取り台FT-1を無難に購入。センターゲージもついてます。
スポークレンチ → ParkToolの物を。特に不便は感じず。
スポークゲージ → ParkToolの物を。定規代わりに。
緩み止め(ケミカル) → WheelSmithのスポークプレップ。これもなかなか手に入らず、Amazonに出店している別の店から買いました。

教材

ロードバイクの科学:ホイール組みだけでなく、ブレーキングの仕方など、乗り方のテクニックなんかも解説されているので、なかなかおもしろいです。
DVD
ホイール組みの達人:作業姿勢なども解説してくれるので、大変重宝しました。これ、超オススメです。(通販ページ:サイクルベースあさひ

続きます。
次:作業編

自転車のホイールを組んでみた! その1 胎動編

このブログで言ったか言わずか、筆者は自転車、特にロードバイクに乗っています。そんないい物ではなく、7年くらい前の国産メーカーのアルミバイクです。当時完成車で14万位でした。その自転車についていたのがシマノのR-500というホイールでした。安い割によくできたホイールで、まぁ通勤通学と、ちょっとしたツーリングくらいにしか使わないような自転車だったので、必要十分と使ってきました。

あるときから自転車のメンテナンスにはまり込み、とうとう手を出したいと思ったのが自転車のホイール。走っていて、前輪が左右に振れているのが分かるが直し方が分からない。どうした物かと思ったときにこの動画に出会いました。

さらに、上の動画にある「手組のホイールなら、手入れをして、直しながらずっと使える」という言葉に惹かれ、下の動画にある「ホイールの直し方は2~3本組めば分かるようになる」という言葉を聞き、ちょっとやってみたいなと思い始めたのが今年の1月。そこから情報を集めていくと、どうも新しい11速のパーツは特に後輪のハブが手組に適さないとのこと。今使っている9段変速を変えずに、そこそこグレードの高いパーツ(アルテグラとか、デュラエースとかね)で手組ホイールを組むには、今しかないかとホイールを組むことにしました。

その2 パーツ収集編に続きます。