ものの選び方」カテゴリーアーカイブ

THE GLASS TALL

スターバックスコーヒーの紙カップの形をした分厚い耐熱ガラスのコップ

と言ってしまえばそれまでなのだが、それがまたなかなかどうして使いやすい。上に広がっている形は指に引っかかるので持ちやすい。スターバックスのカップにはShort、Tall、Grandeの3サイズがあるが、本品もその3サイズ展開となっている。

今回、トールサイズ(350ml)を選んだが、このサイズは200mlくらいの液体に氷を入れたときに液体とグラスの余白がいい塩梅になるような気がする。耐熱ガラスなので当然沸騰したお湯を直接注げるわけだが、入れる液体の量を200mlくらいにとどめておけば、上の方はぎりぎり持てるくらいの熱さになって持ち運ぶ時に何かと便利である。ただし、ビールの350ml缶の中身は泡で入り切らないので、2回くらいに分けて注いで飲むことになる。

200mlの水を入れた状態
200mlの水に氷を適当に入れた状態

耐熱ガラスコップの定番、デュラレックスよりはスマートだが、耐熱ガラス製なので実験器具のような趣もあり、端を見ると熱処理の跡が分かる気がする。薄作りだとか、透明度が高いとか、屈折率が高いとか、気取ったグラスでは決してない。デュラレックスより高価だが、熱いものから冷たいものまで何でも注げて見栄えも結構良い感じ、流しの上の食器棚か食卓の上にずっといる、要するに使用頻度で元が取れるガラスコップである。

アイコンを世代交代(New Balance M996 NCA)

あなたには「アイコン=自分を代表するようなファッションアイテム」はあるだろうか?実は私にはある。それは赤い革のスニーカーという非常に悪目立ちのする靴で、特に20代はほぼ学生をやっていて格好が自由だったのでどこに行くにも一緒だった。定期的に休ませていたが、1週間に2〜3日は履いていた。結構覚えている人も多かったようで、10年も履いたので「まだ履いているの?」と驚かれたりすることもあった。

出会いはたしか2010年か2009年の冬、実家の近くのリサイクルショップ(○ードオフ)で見つけた新古品。正月のセールで半額になり、1万円しなかった記憶がある。赤いスニーカーは履いたことがなく、ちょっと派手かなと思ったが、USAかUK製のニューバランスを履いてみたいと思っていたので安さには勝てなかった。買ってからはすっかり気に入ってしまい、スニーカーシャンプーで年に何回かは洗ったり、靴紐や中敷きは当然替えたし、なんなら(修理できるモデルだったので)ソールも交換して履いた。

8年目くらいからさすがにボロボロになってきて、次を買おうかと思っても同じスニーカーは廃盤で、他メーカーも見たが赤いスニーカーでこれといった物がない……と思っていたら同じメーカーの同じ形のものが2019年の末についに限定復刻と相成った。高い。だがしかし、と半年近く迷った末に結局買ってしまった。

10年ありがとうね。お疲れさま。

いらっしゃい。次の10年よろしく頼むよ。

俺の手ぬぐいコレクション 略して手ぬコレ!

実はここ10年近く密かな趣味がありまして、出張等で国内旅行をした際にその土地っぽい手ぬぐいを1つ買って帰るというものです。私服の時のハンカチとして結構使えるので実用性もありますし、「手ぬぐいを使っている」と周囲に言っておくと、案外周りから集まってきたりするのでお金がかからなくてお得ですよ。ということで簡単にご紹介してみたいと思います。

一枚絵もの

1枚の絵をプリントしたもの。タワー系で売っているものは縦方向にタワーの形をもしたものが多い気がします(手元には1枚しかありませんが、色々見たことがある)。

連続柄

日本版ポルカドットは「豆絞り」なんて呼ばれたりしますが、簡単な幾何学的模様の他、エッシャーのだまし絵のようでそうでもないようなものもあります。青森で買った豆絞りの手ぬぐいは林檎の豆絞り(林檎絞り?)みたいな柄で良かったです。

紹介もの

特定のテーマに沿った知識を授けてくれるもの。横須賀、呉等、海上自衛隊の基地がある街に行くと大抵海軍、自衛隊関連の手ぬぐいが売っています。左は旧帝国海軍の軍艦名、右は海軍の専門性を表す記章の一覧です。

変わり種

企業ロゴ、これは実家の車がホンダ車だったので、京都のディーラーからもらったとかそう言うのだと思います。地方の名物、博多帯柄の手ぬぐいなんてのもあります。

いかがだったでしょうか?1回の旅行で1枚なのであまり集まりませんが、色々な色柄があって楽しいですよね。実用品としても手を拭いたときの水切れが上品で良いのです。とりあえず浅草とか京都とか和風押しの街に行けば豆絞りとか適当な柄の手ぬぐいが500円くらいで買えますので、そこから入門するのが良いと思います。皆さんもぜひ手ぬぐい、使ってみてください。

バンビのチタンベルトBTB-1201N

革ベルトカッコいいんですが、特に高温多湿な日本の夏には不適当、金属ベルトに替えたいが、ステンレスだと重たい。間を取ってチタンベルトに替えてみました。日本のメーカーバンビのチタンベルトBTB-1201Nです。最近種類が増えましたが、汎用品としては3種類しかなかったものの1つ。

革ベルト並みに軽量で、ひんやりせず、ステンレスとの色の違いもそこまで露骨ではありません。ベルトの厚さは3mm、幅は大体20mmで、取り付けの所は18mmです。この時計にはフィット管を使っています。あまり大きくて厚くて立派な時計には合わないと思いますが、10mm位の厚さの時計にはばっちり合うのではないでしょうか?

ただ、被写界深度の関係でぼやけているのが分かると思いますが、たたんでも平たくすることができません(※追記あり)。作りも板材を曲げて作った感じです(チタンの切削は大変なので、定価6000円程度のベルトで削り出しのピースのものを作るのは難しいと思いますが。その辺がちょっと残念かなという感じ。

色々書きましたが、非常に良い感じで、しばらくこれで行きたいと思います。

※追記
文字盤の6時側に平たくすることはできませんが、12時側には下の画像のように平たくたたむことができるようになっています。2週間ほど連続で使いましたが、革ベルト並みの重量と、金属ベルトのサラサラ感を両立できる良い製品です。

腕時計について

1年ほど機械式の腕時計を使ってみて、思うところを書いてみようと思う。

機械式時計はクォーツ式に比べて価格帯が高いものが多いので、外装もそれに応じて加工精度や仕上げの質が高かったり、凝った材料を使っていたり、というのがあるように思う。半分宝飾品のように貴金属が使われているものもあれば、強酸性の化学製品を扱うプラントに使われるような、高ニッケルステンレスが使われる場合もある。

計時精度に関しては、日用にはほぼ問題ないのと、現代はそこら中に原子時計の繋がったコンピュータが溢れているので、時計合わせには困らないなと思う。正確な時計が世の中にあふれているからこそ、手元の時計は多少大味でもOKなのではないか。

パワーリザーブは問題で、ここはほっといても電池が切れるまで動き続ける電気駆動の時計には勝てない。結局僕も時計を止めないために、1日に何分かは必ずつけるようにしている。それでも腕を運動量が小さいと朝方に力尽きている。とはいえ最近は機械式でも丸3日動くようなものもあることはある。

定期整備に金がかかるという難点は、金さえ積めば気に入ったものが使い続けられる、というメリットとも取れる。ETAの汎用ムーブメントなんて50年近く作り続けられているものもあるわけで、おそらくこの先もどこかで必ず部品が手に入り、整備ができるだろう。マニアにはバカにされることも多いが、そう考えると汎用ムーブメントも悪くないと思わないだろうか?15年近く使っているお気に入りのクォーツの時計があるのだが、故障しても修理できるのか、ぶっちゃけよく分からない。まぁ、ロレックスなんかの一流ブランドも、金さえ積めば保守してくれそうな感じではある。時計なんて使うときにほとんどエネルギーを使わないので、長く使えば使うほど環境には優しい。この点からも長く使える可能性が高いのはメリットである。保守費用については、何年かに数万円支出できるくらいは、頑張って稼ごう。

Archimede Pilot 39

投資目的で時計を買うべきか否か、という話でネットの一部が盛り上がっていたので、便乗して書いてみます。

確かに高級時計は売買にまとまった金額が動く上、モノによっては価格が上昇する可能性があり、確かに金銭的な意味で「資産」になるのかもしれませんが、それ以外の非金銭的な「資産価値」は、結局のところ「方便」であり、要するに「趣味の品」の高級時計を買う言い訳なんではないでしょうか?機械式、クォーツ、スマートウォッチと手首につけるデバイスは多様化しており、まぁ好きなモノをつければいいのではないかと。

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パイロット キャップレス万年筆 (マットブラック 細字)

最近仕事が忙しく、大学院生時代に景気づけに買ったHappy Hacking Keyboardみたいに仕事の道具買うか、と思い立って、携帯用の万年筆として世界で唯一無二のノック式万年筆を買いました。出かけたついでに丸善で買ったんですが、定価だった代わりに色々おまけが。売り子のお姉様が色々教えてくださったんですが、まぁ10年近く付き合ってますから、大体分かってる話でした。

買ったもの+もらったもの一式。LAMY2000と同じくマットブラックのニブの小さい万年筆をまた買ったしまった……。ノックはボールペンよりもしっかりしている印象。

左の万年筆は引退予定の携帯用の細字。祖父の万年筆をニコイチにしたもので、キャップは925シルバー。ニブが柔らかくて書き味は好きなんですが、ペンケースに入れて持ち歩いているとキャップが外れやすく、すぐペン先が乾いてしまうので自宅で据え置きようにしようかなと思います。

書いてみた感じ。やや固いかも。線の細さは試筆したこともあり、好み。なんとニブは18金らしいが、小さいことにより固くなりがちなところを素材で解決、って感じなんだろうな。書いていると柔らかくなるらしい。

付属品の万年筆クリーニングキット+カートリッジインク一式。下の青いスポイトがミソなわけですけど、確かに便利かも。コンバーターよりも強い水圧で、多くの水を押し出せるので、使う際に注意は必要ですが、掃除が簡便になり便利かも。

というわけで使ってみます。

Sony Walkman NW-A35 試聴編

さて、この前の更新で見た目やら使い心地について書いたNW-A35で実際に音楽を聴いてみた感想をば。基本的に音源はMP3、AACで、それをDSEE HXでハイレゾアップコンバートして、SonyのMDR-EX800STで聴いています。[アーティスト名/曲名/アルバム名/感想]って感じで。

  • 坂本真綾/0331Medley/15周年記念LIVE _Gift_ +1/メドレーの中にデビュー曲の「Active Heart」と言う曲があるのですが、そこでの声の伸びがとても良い。武道館ライブのライブ音源なんですが、武道館の空間に広がっていく残響がiPhoneよりも良い気がする。
  • Pat Metheny & Charie Haden/The Moon is a Harsh Mistress/Beyond the Missouri Sky (Short Stories)/ギターが郷愁を誘う一曲。ギターの音の残響がiPhoneより良いような気がする。
  • Nujabes/Counting Stars/2nd Collection/ドラムとギター、うわごとのようなボーカル、消え入りそうなピアノが立体的に聞こえる。元々良いイヤホンだが、音量がそこそこでも音のディテールが消えないような、そんな気がする。
  • Glenn Gould/Goldberg Variations/Goldberg Variations/鼻歌交じりで一部に有名な連作。鼻歌がiPhoneよりもよく聞こえてくる。集中すると、Gouldのピアノがどこにどういう向きで置いてあるか分かるような気がする。

あまりたくさん聴いてみているわけではないですし、そこまで僕は耳が良くないので、本当にそうなのかは分かりませんが、ハイレゾ(のアップコンバート)というのは、良いイヤホンやヘッドホンと組み合わせることで、音の立体感、位置関係、生々しさ、残響といった楽曲の情報量が増える、という事なのかもしれません。まぁ多少良いイヤホンであれば、音量を大きくすれば、情報量増えますけどね……。

ハイレゾのプレーヤーとしては価格が手ごろですし、UIも改善されて、価格に対して満足感の高い製品ではないかと思います。お耳に自信のある方、どうでしょうか?

 

 

試聴に使った音源はこちら

 

Sony Walkman NW-A35 購入編

著名な環境学者で、ガジェットマニアでもある安井至先生が絶賛していたソニーのハイレゾ対応ウォークマンNW-A35。私は大学入学時に偶然手に入れたiPod mini以来、MDウォークマンをiPodに切り替えて、それ以来3機種くらいiPodを買い換えて、最近は使い古しのiPhone 4を使っていた訳ですが、そんなに良いならと買って聴き比べをしてみました。ちなみに何ヶ月か前に試聴してみたんですが、タッチパネルの反応が余りに悪くてちょっとなぁと思っておりました。最近のファームウェアアップデートで反応が良くなったらしく、触ってみたら良かったのもあり。

ものはこれ。赤にしました。昔は黒で色々揃えていたんですが、鞄の中で目立つ方がいいなと最近思います。

ちなみにハイレゾ音源は全く持っておらず、基本的には256bps AACあるいは320bps MP3をソフトウェアでアップコンバートして聴いています。イヤホンはSONYのMDR-EX800ST。

電機店で触ってみたときから分かっていましたが、確かに実用的なタッチパネル反応速度になっていました。Macからのデータの転送もとにかく音楽ファイルが詰まったフォルダをドラッグアンドドロップして、パソコンとの接続を切ればOK。ジャケット画像も勝手に転送されます。

聴き比べてみた感じは……。これからということで。

2017年6月26日追記
iPod nanoと比較すると、自動パワーオフ機能がない模様。電源ボタンを長押ししてスイッチを切らないと、いつの間にか電池がえらい消耗していることがありました。設定にはオートパワーオフの設定はないようです。

浅草 かなや刷毛の馬毛歯ブラシ

歯は食の喜びや踏ん張るときの馬力を支える大事な器官で、それを維持する歯磨き、それに使う歯ブラシは稼働率が高い道具で、死蔵している服なんかに比べればはるかに投資効率が良い、いわゆるところの「捗る」道具です。ということで、今回は浅草、かなや刷毛店の馬毛歯ブラシをご紹介。

1本320円、3本だと900円。3本パックはこんな箱に入っています。

中身はこんなの。地味ですね。

磨き心地はナイロン糸の一般的なブラシに比べてマイルド。店の人曰く歯や歯茎を痛めにくいんだとか。最初は正直馬毛?とか思っていましたが、ナイロン糸が発明されるまでは天然繊維として使われていたもので、人類の歴史で考えると遙かにこちらの方が使用歴が長いのですよね。

使い古した歯ブラシと比較してみます。左が9ヶ月くらい使ったもの。何となく毛の密度が薄いような気がしますか?

角度を変えるとこんな感じ。左が使ったものです。10%くらい毛が短くなっていて、なんとなく毛束が痩せてる感じ。こんな風に適度に毛が「負ける」のが、優しい使い心地の秘密なのかも。新品に替えたらはるかに磨き心地が良くなったので、半年に1回は替えた方がいいのかもしれません。

毎日使うものですし、ちょっと変わったもの、良いものを使ってみたくなったらこの歯ブラシ、いかがでしょうか?