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アイコンを世代交代(New Balance M996 NCA)

あなたには「アイコン=自分を代表するようなファッションアイテム」はあるだろうか?実は私にはある。それは赤い革のスニーカーという非常に悪目立ちのする靴で、特に20代はほぼ学生をやっていて格好が自由だったのでどこに行くにも一緒だった。定期的に休ませていたが、1週間に2〜3日は履いていた。結構覚えている人も多かったようで、10年も履いたので「まだ履いているの?」と驚かれたりすることもあった。

出会いはたしか2010年か2009年の冬、実家の近くのリサイクルショップ(○ードオフ)で見つけた新古品。正月のセールで半額になり、1万円しなかった記憶がある。赤いスニーカーは履いたことがなく、ちょっと派手かなと思ったが、USAかUK製のニューバランスを履いてみたいと思っていたので安さには勝てなかった。買ってからはすっかり気に入ってしまい、スニーカーシャンプーで年に何回かは洗ったり、靴紐や中敷きは当然替えたし、なんなら(修理できるモデルだったので)ソールも交換して履いた。

8年目くらいからさすがにボロボロになってきて、次を買おうかと思っても同じスニーカーは廃盤で、他メーカーも見たが赤いスニーカーでこれといった物がない……と思っていたら同じメーカーの同じ形のものが2019年の末についに限定復刻と相成った。高い。だがしかし、と半年近く迷った末に結局買ってしまった。

10年ありがとうね。お疲れさま。

いらっしゃい。次の10年よろしく頼むよ。

『わたし史上最高のおしゃれになる!』著:小林直子

洋服の着方を指南する本は、世の中に数あります。あまり洋服のことを考えてこなかった初心者向けの本というと、かつては『脱オタクファッションガイド』とか、最近だと『服を着るならこんな風に』とかでしょうか?それらの本も読みましたが、個人的には、本書はそんな服飾指南書の決定版だと思う一冊です。もちろん前者2冊が不要というわけではなく、前者2冊の内容よりも抽象的で応用性が広く、その分自分の頭で考えることや試行錯誤を必要とするやり方が書かれているため、前者2冊のような具体的な指示が書いてある本を読んでいくつか買い物をしてコーディネートをしてみてから、さらに学んでみたい人向けかもしれません。

特徴として

  • 他の誰でもなく「あなた」は自分をどうしたいのか、主体的に決めて、自分でその責任を取るという考え方に立っていること(おしゃれとタイトルにあるにも関わらず、着るものに頓着しないことすら自由であると言ってのける)
  • 「ワードローブを構築・運用する(どういうものを買って、持って、使って、手入れして、捨てるか)」という思想に立っていること
  • いくつかの原則から演繹的に方法論を構築・説明していること
  • 「おしゃれになる」ことは人生の目的ではなく、手段であると考えていること

が挙げられると思います。

著者が長い時間を掛けて構築してきたというだけあって、論の展開が大変理路整然としています。著者は女性であり、女性のワードローブ構築が中心に取り扱われていますが、男性のことも多少書かれていますし、本書に述べられている方法論は男性にも応用が利くものだと思います。すぐに効果が出るものではなく、ある程度時間を掛けて試行錯誤することで、自分の能力を高める、という方法論だと思います(外山滋比古の「思考の整理学」、ヤングの「アイデアのつくり方」、梅棹忠夫の「知的生産の技術」、名著と呼ばれる指南書は皆、習得に試行錯誤と長い時間を要するものです。)

本書で2大原則として取り扱われているものに

  • 「3色ルールを守る(小物を含めて全身の衣服に使う色を3色以内にとどめる)」
  • 「リレーションを作る(色、デザイン、品物の由来などで身につけるものの間に関係性を持たせる)」

というものがあるのですが(詳しくは読んで下さい)、これが正しいということを前提とすると、男性のスーツスタイルが比較的見栄えよいと言われる理由が理解できるのですよね。そもそもスーツ、というかテーラードジャケットがそもそも男性的な上半身の逆三角形を強調するので、かっこよく見えやすい衣装ではありますが、それに加えて

  • 全身の色が「ジャケットとスラックス」、「シャツ」、「ネクタイ」の3色構成になり(靴、ベルト、鞄を含めると4色になるのかな?)
  • 靴、ベルト、鞄の色といった革小物の色を揃えると3つの間にリレーションができる

と、原則を守ったスーツスタイルは、著者の言う2大原則に確かに沿っているのです。

生地の名前やファッション用語が説明なしにガンガン出てきますので、初級者向けというわけではありませんが、どこでどんなものを買ったらいいかは分かっているのだが、もう一歩垢抜けたい、とか、既にたくさん洋服を持っているけど、イマイチしっくりこないことが多い、といった人に特にオススメの一冊です。

 

革手袋をオーダーしてみた

私が敬愛する某先生が革手袋をオーダーするといいよ、とおっしゃっていたので、冬の賞与を投入してみました。

注文したのは先生推薦の「手袋工房ミズカミ」というところです。香川県東かがわ市にある製造販売のお店のようです。こちらの9720円の羊革、カシミア内張の防寒手袋に、オーダーチャージ1080円を付けて計10800円。オーダーの仕方は手形を描いて、手の生命線周りの長さを書き入れれば職人さんが案配してくれるようです。ちなみに年末年始にもかかわらず、1週間以内に届きました。

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表面。革手袋は初めてなのですが、表面が適度にしっとりしていて、紙幣、カード、ちょっと苦しいが小銭が取り扱えます。他の手袋と比べて革の質がどうなのかは分かりませんが、大変満足しています。

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内張のカシミアはニットになっているみたい。カシミアの色は生成り?ちなみに暖かくて手触りがよく、外の羊革と一体化していて手を出し入れしても余ったりひっくり返ったりしません。

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全体に縫い目はきれいです。ほつれもなく、しっかりしています。

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指先はこんな感じ。サイズは合っているので指先は余らず、上述の通り手袋をしたままいろいろな作業ができます。

靴と手袋は、人それぞれサイズがありますから、オーダーした方が良いようです。確かに、手袋に関してはこのことが事実なのが分かりました。シーズン毎に色違いで1双ずつ注文してみようかな。