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Sony Walkman NW-A35 実用編

ソニー製のハイレゾウォークマン入門機、2年ほど使い込んでみた感想としては以下の通り。

購入編ファーストインプレッションノイズキャンセリング機能のインプレはこちら。本機はすでにディスコンなので、後継機種を買う際の参考になれば幸い。

良いところ

  • ノイズキャンセラー便利すぎ。電車内でまともに音楽聴くには必須の機能。ただし、アナウンスも聞こえにくくなるので、居眠りする可能性がある場合には使わない方が良いように思う。
  • 物理ボタン便利、特に再生ボタンを始め各ボタンに形状の違いとポッチがついてることで、カバンの中でも手探りで探せるようになっている。ホールドスイッチも誤動作防止に高評価。
  • SDカードは拡張性が高くて良い。
  • 本機に限定される話ではないが、Bluetoothオーディオ機能は便利。Bluetoothスピーカーと繋ぐだけで簡易な据置ステレオになり、カーシェアやレンタカーでお気に入りの音楽が聴ける。

悪いところ

  • 電源管理がイマイチ。オートパワーオフがないので、いつのまにか電池切れになっていることがある。探してみたが設定もできない。
  • 上記のように電池の消耗を抑えるなら電源をいちいち切る必要があるが、起動、そして起動時の楽曲のデータベース構築が遅い(特に大容量のSDカードを挿入してる場合)。
  • iPodもそうといえばそうなのだが、転送、充電に独自のケーブルが必要なのが今時ちと残念。iPodの場合はLightningケーブルの場合は普及率の高いiPhone系のスマートフォン所有者が持っていることが多く、併用も可能だが、本機はウォークマンの専用品である。

すでに2代前くらいの製品で、後継機種が何台か出ているが、その辺が改善されているのか、ちょっと気になる。

『Made In Japan 我が体験的国際戦略』著:盛田昭夫、 エドウィン ラインゴールド、下村 満子

我が国日本もいまや斜陽の衰退国家で、いろいろなところがガタガタであるが、かつては我が世の春があった(社会的、文化的には問題もあったのだろうが、少なくとも経済的にはいまより良かった)。そんな我が世の春を作り上げた立役者の一人と言っていいだろうソニーの共同創業者の1人、盛田昭夫氏の自伝。発売されて30年なので、経営者の自伝としては古いものになってきているのだろうか?

非常に文化資本に恵まれた家の出身で、戦前にあって高度な教育を受けた人だったようである。理系の出身でエンジニアでありながら、営業マンとしても非凡な人だったというのが良く分かる。圧倒的な経済力、技術力を持つ外国に飛び込んでいって、現地で友人を作りながら自分たちの会社の製品を決して安売りしなかったというのは、脚色もあるのかもしれないが、非常にガッツのある人だなぁと思う。外国で、現地にいる日本人とばかり付き合うのではなく、現地人と親しく付き合え、というのは非常に共感するところ。

経営哲学なんかに関しては現代の目から見ると、たまたま戦後復興~高度経済成長の境界条件の中でたまたまうまくいっていただけなのではないかと思えなくもない(別に会社経営をやったことがあるわけではないのだが、ここ20~30年は日本社会の強みだったところが弱みに転じて社会全体を衰退させてきたという感じがするので)。「社員を家族だと思え」とか「簡単に従業員を解雇できないのは強み」というのも、一部の大企業や、一部の世代の人たちを「家族」たらしめんために就職氷河期世代を正規雇用の枠外に追いやり、会社に非依存な社会保障のシステムを構築できなかったために、結果として加速度的な少子化と人口減少を食い止める最後の砦を崩してしまったわけだし。「人は金銭のためだけに働くのではない」というのも、ワタミを代表とするブラック企業が搾取のキーワードにしてしまったわけだし。とはいて盛田氏本人は90年代後半から2000年代のドン底の時期には現役を退いていたので、当時彼がいたらどういう経営をしたのかはよく分からないが。

高度経済成長期~バブル期にいい思いをした人がどういう風にものを考えていたか等を知るには良書だと思われる。現代の人間のとしては、いいところは学んで、誤っていたと思われるところは反面教師にして、なんとかかんとかこれからもやっていかなくては。

 

Sony Walkman NW-A35 試聴編

さて、この前の更新で見た目やら使い心地について書いたNW-A35で実際に音楽を聴いてみた感想をば。基本的に音源はMP3、AACで、それをDSEE HXでハイレゾアップコンバートして、SonyのMDR-EX800STで聴いています。[アーティスト名/曲名/アルバム名/感想]って感じで。

  • 坂本真綾/0331Medley/15周年記念LIVE _Gift_ +1/メドレーの中にデビュー曲の「Active Heart」と言う曲があるのですが、そこでの声の伸びがとても良い。武道館ライブのライブ音源なんですが、武道館の空間に広がっていく残響がiPhoneよりも良い気がする。
  • Pat Metheny & Charie Haden/The Moon is a Harsh Mistress/Beyond the Missouri Sky (Short Stories)/ギターが郷愁を誘う一曲。ギターの音の残響がiPhoneより良いような気がする。
  • Nujabes/Counting Stars/2nd Collection/ドラムとギター、うわごとのようなボーカル、消え入りそうなピアノが立体的に聞こえる。元々良いイヤホンだが、音量がそこそこでも音のディテールが消えないような、そんな気がする。
  • Glenn Gould/Goldberg Variations/Goldberg Variations/鼻歌交じりで一部に有名な連作。鼻歌がiPhoneよりもよく聞こえてくる。集中すると、Gouldのピアノがどこにどういう向きで置いてあるか分かるような気がする。

あまりたくさん聴いてみているわけではないですし、そこまで僕は耳が良くないので、本当にそうなのかは分かりませんが、ハイレゾ(のアップコンバート)というのは、良いイヤホンやヘッドホンと組み合わせることで、音の立体感、位置関係、生々しさ、残響といった楽曲の情報量が増える、という事なのかもしれません。まぁ多少良いイヤホンであれば、音量を大きくすれば、情報量増えますけどね……。

ハイレゾのプレーヤーとしては価格が手ごろですし、UIも改善されて、価格に対して満足感の高い製品ではないかと思います。お耳に自信のある方、どうでしょうか?

 

 

試聴に使った音源はこちら

 

Sony Walkman NW-A35 購入編

著名な環境学者で、ガジェットマニアでもある安井至先生が絶賛していたソニーのハイレゾ対応ウォークマンNW-A35。私は大学入学時に偶然手に入れたiPod mini以来、MDウォークマンをiPodに切り替えて、それ以来3機種くらいiPodを買い換えて、最近は使い古しのiPhone 4を使っていた訳ですが、そんなに良いならと買って聴き比べをしてみました。ちなみに何ヶ月か前に試聴してみたんですが、タッチパネルの反応が余りに悪くてちょっとなぁと思っておりました。最近のファームウェアアップデートで反応が良くなったらしく、触ってみたら良かったのもあり。

ものはこれ。赤にしました。昔は黒で色々揃えていたんですが、鞄の中で目立つ方がいいなと最近思います。

ちなみにハイレゾ音源は全く持っておらず、基本的には256bps AACあるいは320bps MP3をソフトウェアでアップコンバートして聴いています。イヤホンはSONYのMDR-EX800ST。

電機店で触ってみたときから分かっていましたが、確かに実用的なタッチパネル反応速度になっていました。Macからのデータの転送もとにかく音楽ファイルが詰まったフォルダをドラッグアンドドロップして、パソコンとの接続を切ればOK。ジャケット画像も勝手に転送されます。

聴き比べてみた感じは……。これからということで。

2017年6月26日追記
iPod nanoと比較すると、自動パワーオフ機能がない模様。電源ボタンを長押ししてスイッチを切らないと、いつの間にか電池がえらい消耗していることがありました。設定にはオートパワーオフの設定はないようです。