気付けば書棚に「青春」ではなく「思春期」を取り扱ったマンガが多い…ということで、まとめて感想なり、紹介なりをしてみようと思います。作品の巻数等は投稿日(2014年6月15日前後現在)。
『放浪息子』 著:志村貴子 全15巻完結
言わずと知れた思春期マンガの大著でしょう。小学校高学年から高校3年生まで、体も心も大きく変わる思春期を丸ごと描ききった一作です。ただ思春期の少年少女を描くだけでなく、色々なセクシュアリティを持つ彼ら彼女らを、繊細な絵柄と話の展開で魅せます。その様はまさに「男らしさ」「女らしさ」とはなにか?という根本的な問いを我々に投げかけるかのようです。個人的には、墓場まで持ってこうと思っている作品。
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『中学性日記』 著:シモダアサミ 2014年6月現在 1巻 以降続刊
本作は肉体的な側面から思春期、というか第二次性徴期を取り扱ってるのかな?毛が生えたり胸が大きくなったり、あぁ確かに昔そんな事で悩んでたなぁと思い出す事請け合い。男としては、何かと女子と関わりのある作品に出てくる男の子連中が羨ましくて仕方が無い。
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『クズの本懐』 著:横槍メンゴ 2014年現在 3巻 以降続刊
これを思春期マンガと呼んでいいのかは分かりませんが、ただたださわやかな青春マンガよりはいささか肉感的で生々しい感じなので選出。とはいえ、肉体面というよりは精神面が中心的なテーマっぽい作品。ペッティングレベルの性描写があるんですが、それがまた「ぬくもりを求める」という感じで、単純に男性向けのちょっとエッチなマンガという感じもしません、即物的な感じがないんですよね。
『思春期シンドローム』 著:赤星トモ 2014年現在 1巻 以降続刊
この作品は女子高生が主人公のオムニバス作品。どっちかというと友人関係が話の軸になっているのかなという感じ。コンプレックスだったり、変なキャラ作り(いわゆる中二病)だったり、男性なのでこんな感じなのかしら?と共感はせず(できず)俯瞰的に眺めている感じ。
『富士山さんは思春期』 著:オジロマコト 2014年6月現在 3巻 以降続刊
この作品は幼なじみ同士が付き合い始めて…という作品です。男の子の目から見たときの「彼女」の生々しさの描写が秀逸、汗や肌の香り、体温が伝わってくるかのようです。彼女である富士山さんは181センチ成長中といういわゆる「巨女」ですが、まぁその辺はあんまり関係ないかなぁという感じ。あと、161センチの主人公が結構男らしくて、しっかり彼氏をしてるのがまた良いです。個人的に、この作品を読んだ時に感じる感覚はその辺で初々しいカップルを見たときに思わず応援したくなる気分に似ています。
というわけで手持ちの、ティーンエイジャーが主人公の作品のうち,「青春」というよりは「思春期」という気がする作品を集めてみました.絵柄も切り口も多様で,日本の漫画は多様性がありますね。