投稿者「uterium」のアーカイブ
2014年1月の読書録
2014年1月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2567ページ
ナイス数:19ナイス
O/A (7) (カドカワコミックス・エース)
読了日:1月28日 著者:渡会けいじO/A (6) (カドカワコミックス・エース)
読了日:1月28日 著者:渡会けいじのんのんびより 1 (MFコミックス)
読了日:1月28日 著者:あっとマージナル・オペレーション 05 (星海社FICTIONS)
読了日:1月28日 著者:芝村裕吏,しずまよしのりLandreaall 23巻 限定版 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
読了日:1月25日 著者:おがきちか第6の波 環境・資源ビジネス革命と次なる大市場
読了日:1月24日 著者:ジェームズ・ブラッドフィールド・ムーディ,ビアンカ・ノグレーディーマージナル・オペレーション 04 (星海社FICTIONS)
読了日:1月24日 著者:芝村裕吏マージナル・オペレーション 03 (星海社FICTIONS)
読了日:1月21日 著者:芝村裕吏ポスト工業経済の社会的基礎―市場・福祉国家・家族の政治経済学の感想
http://blogos.com/article/33991/ 要約すると,この先生が言っていることと同じなのではないかと思った.この辺のアイデアは,家族社会学の専門家の間ではメインストリームの考え方の1つなのかも知れない.私は専門家ではないので分からないけれども.
読了日:1月13日 著者:G.エスピン‐アンデルセン乙嫁語り 6巻 (ビームコミックス)の感想
アゼルのセリフが,5巻の,鷹を殺したアミルと重なり,2人は兄妹なんだなと納得しつつ,親父さんはアゼルが言うように耄碌してしまったのだろうなぁ.
読了日:1月12日 著者:森薫銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)
読了日:1月12日 著者:荒川弘工学の歴史: 機械工学を中心に (ちくま学芸文庫)の感想
自然科学の歴史は高校まででも習うけど、それ以外の学問の歴史はあまり語られる事がないので、貴重な書だと思う。機械系の大学生と、工学系を志す高校生は一読の価値がある。前者は自分達がなぜ四力を学んでいるのかとか、カリキュラムの意味が理解できる。後者は「ロボット」とか「車」とか、曖昧なイメージだけで進学を決めずに済む。
読了日:1月4日 著者:三輪修三
読書メーター
移行してきました。
書評のみをこのブログに移行してきました。
書評を中心に、自転車、自炊料理など、自分が面白いと思ったものを定期的に書こうと思います。
テキストの表示が変なところは、追々修正していきます。
ポスト工業経済の社会的基礎 市場・福祉国家・家族の政治経済学
著者はG・エスピン・アンデルセン
おそらくは社会学の専門書なんでしょうし、素人なので研究内容について批判的なコメントはできませんが、非常に興味深い本でした。特徴としては、社会調査のデータに統計処理をかけて根拠としている事でしょう。
2000年に発行された本なのですが、2013年においても現在進行形である若者、女性の大量失業や格差の拡大、低い出生率といった社会問題を福祉システムの機能不全として考察、解決に向けた提言を行っている本です。
本書では社会において福祉を提供する主体を、「家族」、「福祉国家」、「市場」の3つと定め、それらが提供する教育、育児、介護、所得(雇用・労働)、保健医療などを福祉サービスと定義しています。その3つの主体の複合体を「福祉レジーム」と呼んでいます。更に、福祉レジームの主要な形態として、
自由主義型:主に市場(民間サービス)が福祉を提供する.例:アメリカ
社会民主主義型:国家が主体的に福祉を提供する.例:北欧諸国
家族主義型:家族が福祉を提供する.例:イタリア,日本
の3つを挙げ、該当国の社会統計を比較分析することで、福祉の機能不全の原因と対策を検討しています。
結論から言うと、「出生率の向上」と「失業率の低下(を実現する弾力的な労働市場の実現)」を目標とした場合、以下の方策を取るべきだと言っています。
・女性の共働きを推奨する → グローバル化により先進国ではサービス業が雇用の受け皿になるので、家事労働,保育,介護などのサービス業への需要が高まり雇用が増える.
・国家による職業教育で,特に若者と女性の失業期間を短くすること。前提として職業教育を可能とする知的レベルを公教育で保障すること.
・シングルペアレント世帯への給付と就職を徹底的にサポートすること → 長期的に考えると、シングルペアレント世帯が福祉給付に頼らず自立できることは国の福祉負担を軽減する。
・ベーシックインカムか,負の所得税で非熟練労働者の給与水準を底上げすること → 民間サービスで福祉を提供する場合は特に。非熟練労働によるサービスを利用可能な価格として提供しつつ、非熟練労働者の経済的自立を実現するには不可欠。
じゃあ日本の現状は?と言われるとどうも上手く回ってないなぁという気がします。しかしまぁ、どういう福祉レジームが成立するのかは国によってスゴクさがあるという指摘はされているので、この方針を範としつつ、我が国なりの21世紀型福祉レジームの実現を、というのを政治家の先生方には考えていただきたいものです。僕自身、そういう政治家を選挙で選びたいと思います。
『乙嫁語り(6)』 著:森薫
もはや言う事もあるまい、中央アジア譚。
この巻も非常に面白かった。テーマは、5巻が「ごちそう」、6巻は「戦争」かな?
全体的に動きが激しくて、普段の端正で緻密な線とうってかわって荒々しい描線。「エマ」を含めても、本格的に戦争を描いたのはこれが初めてじゃなかろうか?
5巻からの伏線?で手負いの鷹を活かすか殺すか、という事を決断をするときにアミルが言った「鳥は空を飛んで生きるものです このまま空も飛べずエサをもらって それでは命あっても生きているとは言いません」というセリフが、本巻での「馬は野を駆けて生き 鳥は空を飛んで生きる」というアゼルのセリフに被ります。二人が全く別のところで別の事象を目の前に言っているのが肝で、二人が兄妹であるを良く表す素晴らしい伏線だと思います。同時に、親父さんはもうろくしちゃったんだなぁと思わされるわけですが。
現実の歴史を考えると登場人物の前途は決して明るいとは言えなさそうな気がするのが何ともやるせないです。前述のセリフは、それを暗示しているような気がするのも何とも…。実際問題、ライラ、レイリ達が住んでいたアラル海は物理的にもうないわけですし…。
次巻はスミス陣ということでまた一年待とうと思います。
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乙嫁語り 6巻 (ビームコミックス) (2014/01/14) 森 薫 |
2013年12月読書録
2013年12月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1028ページ
ナイス数:13ナイス
僕に恋するメカニカル (2) (カドカワコミックス・エース)
読了日:12月29日 著者:渡会けいじエロマンガ先生 妹と開かずの間 (電撃文庫)の感想
うーむ,作者なりの創作論,作家論が印象に残った.というか創作以外の仕事にも通じるところがありそうだなぁ,と.義妹云々は,正直僕も歳をとったのか,あまりグッとはこなかったかな.
読了日:12月23日 著者:伏見つかさ山賊ダイアリー(2) (イブニングKC)
読了日:12月21日 著者:岡本健太郎山賊ダイアリー(1) (イブニングKC)
読了日:12月20日 著者:岡本健太郎弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
読了日:12月13日 著者:小飼弾,山路達也
読書メーター
2013年11月の読書記録
2013年11月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3099ページ
ナイス数:24ナイス
アパルトめいと 1 (書籍扱い楽園コミックス)の感想
生活の中に性があるというのが,いわゆる「エロマンガ」と違った生々しさがあっていいなと思た.
読了日:11月26日 著者:犬上すくね私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明
読了日:11月24日 著者:高城剛GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 6(中) (電撃文庫)
読了日:11月24日 著者:川上稔セントールの悩み 6 (リュウコミックス)
読了日:11月18日 著者:村山慶The Sartorialist: Closer
読了日:11月18日 著者:ScottSchuman遙か凍土のカナン1 公女将軍のお付き (星海社FICTIONS)の感想
前半はこの世の地獄,後半はミドルティーン?の少女をひたすら生殺しに….落差ありすぎだろ…. この世への愛を理性でくるんで,表層的には淡々としている,現実にいそうなヒーロー像がアラサーのおっさんには心地よい.冷たく,静かに見えて実は熱い,まるでガスコンロの火のように.
読了日:11月17日 著者:芝村裕吏,しずまよしのり筋肉の神マッスル2 (電撃文庫)
読了日:11月9日 著者:佐藤ケイ筋肉の神マッスル (電撃文庫 さ 4-26)
読了日:11月6日 著者:佐藤ケイ僕は友達が少ない9 (MF文庫J)の感想
面白い.名作だと思う.相変わらず著者は,人間関係に対してどんな感受性を持ってるんだろうと思う.
読了日:11月4日 著者:平坂読自分の小さな「箱」から脱出する方法の感想
利他的であることの重要性。他者を尊重することの重要性。
読了日:11月1日 著者:アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
読書メーター
『民間防衛』
スイス政府謹製の一冊,国家の危機に対して,防衛組織に所属していない人がいかに振る舞うべきかを書いたマニュアル本.ABC兵器からの身の守り方から,占領下での抵抗運動のやり方まで,何でもござれ.
とはいえ,この本の重要なところは,心の持ち方について言及しているところだろう.まず最初に,祖国スイスは,そして祖国スイスが保証する自由や豊かさ,独立は,国民が様々な意味で奉仕するに値するものである,と明言しているのに衝撃を受けた.日本人は清潔な水と安全はタダだと思っている,という言葉があるが,それ以前の自由(思想,心情,表現,そして何より行動の!),あるいは民主主義も,タダで当たり前のものではないのだ.世界のニュースを見れば分かりそうなものだが,個人的には意識したことがなかった.
マニュアルとしては,普段から備える,組織として動く,非常事態においてこそ冷静さを失ってはならない.非常事態においては,ある程度私権が制限されざるを得ない,といった点が参考になるだろうか?あと,非常事態に平和主義を説くこと,侵略者の温情に期待することほど有害なことはない,というのも興味深い.福島第一原発の事故後のあの混乱を考えると,侵略の憂き目に遭おうものなら日本は一昼夜で占領されてしまうのではなかろうか?
読みながら健全な国家主義と,危機対応能力を高めるために,義務教育でこの本+情報倫理に防災の知識辺りを合わせて「安全保障」みたいな名前の教科を作って教えてもいいんじゃない?とか思った.クソの役にも立たない道徳の授業なんかよりよほど実用的だろう.
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民間防衛―あらゆる危険から身をまもる (2003/07/04) 原書房編集部 |
『ヴァンパイア・サマータイム』 著:石川博品 挿画:切符
昼を生きる人間と,夜を生きる吸血鬼が半分ずつ,世界を分け合っている世界.両親の経営するコンビニを手伝う主人公は,冷蔵庫のバックヤードから,同じ高校の吸血鬼のヒロインを見ている.とある事件をきっかけに2人の距離が縮まって行く….恋愛を「正直に」描いた良作だと思う.個人的にこの作品の白眉は,「境界」と「におい」である.
まずは「境界」について.思春期の男女にとって,異性は未知の存在だ.まぁ大人になっても分からないものだし,そもそも同性だって,腹の底で何を考えているのか分からんものだけれども.昼と夜,人間と吸血鬼,コンビニの冷蔵庫の,向こう側とこちら側,別の世界を生きている,未知の存在としてのお互いを協調するかのような「境界」のモチーフが,この作品には数多く登場する.恋愛とはいわば,相手との境界を越えて,お互いに幻想のベールをはがす過程であり,主人公達は正しくそのステップを踏んで行く.出だしでもたつき,とあるきっかけで境界を越えたら加速度的に,というのがリアル.
次に「におい」について,境界線が引いてあっても,たとえ壁があっても,密閉されていない限り漂ってくるのが「におい」である.本作では一貫して「匂い」でも「臭い」でもなく,「におい」と綴られる.悪臭か,はたまた芳香か,それを判断するのは人間であり,愛しい恋人のそれは,生臭い生き物の臭いであっても芳香なのだ.ふとした瞬間に触れた汗ばむ相手の肌,夏の暑さに香り立つ体臭,恋愛とは健全であっても決して清潔なものではないということを,本書は思い出させてくれる.
読めば恋人の躰に鼻を近づけたくなるなること請け合い(その後どうなるかに責任は持てないが).この恋の結末がいかなるものか?是非とも夏の夜に読んで欲しい一作である.
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ヴァンパイア・サマータイム (ファミ通文庫) (2013/07/29) 石川博品 |
『土を喰う日々』 著:水上勉
食の豊かさとは何だろうか、と考えさせられる一冊である。
この本は、幼少の頃に禅寺に預けられ精進料理の手ほどきを受けた著者が、作家として大成して信州に移住した後に一年通して山の幸と畑の幸をいかに調理して、毎日の食事をまかなうかを書いたエッセイである。さすがに(失礼!)文章がうまいおかげで、出てくる料理出てくる料理、非常に旨そうなのである。
近年、食卓の彩りは豊かになり、毎日肉に魚にと食べられるようになって久しいが、例えば一応日々肉を食べてはいるがコンビニと、ファーストフード店をローテーションしている人の食卓と(今時の仕事の忙しさを考えると結構いるのではないだろうか?)と、この作者の精進料理を比べると、どちらの食卓の方が豊かかと言われるとよくわからなくなってくる。精進料理というのは贅沢ではないが、手間がかかっている分、決して貧相なものではないのだなということを思い知らされる。まぁ、野味、滋味という言葉がよく出てくることから、わかりやすく美味いのかと言われると土臭かったり、苦かったり、渋かったり、多分そうではないのだろうけど…。
ただ、周囲に自然の少ない都会の人間には畑をやったり、山に入ったりというのは困難だし、みんながみんな山に入って山の幸をとったとしても自然のキャパシティの問題で成立しないわけで、結局のところこの本に描かれている食生活は、ほとんどあり得ない夢のようなものなのだろうなと思わされる。
『昨日何食べた?』や『高杉さんちのお弁当』、料理漫画ではないがうまそうな食べ物が出てくる『三月のライオン』のように、手作りの日々の食事を描いたものが料理漫画において一定の勢力を持っているように見える昨今だが、昭和53年初版の本にも関わらずそれらの作品の感性に通じるものがある本作は、普段料理エッセイなんか読まないオタク諸氏も案外楽しめたりするんではないだろうか?凝り性な性分が漫画アニメから自炊や料理に向けば、オタクって男女関わらずちょっとした料理人になれる気はするのだよな。
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土を喰う日々―わが精進十二ヵ月 (新潮文庫) (1982/08/27) 水上 勉 |