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『孤独と不安のレッスン』 著:鴻上尚史

二十台の前半の頃は本当に頭でっかちだったなと思います.「理性」で何でも何とかできると思っていたのです.一種の中二病だったのかもしれないです,大学生なのに….二十台の半ばくらいでどうも理性だけでは上手くいかないなぁと言うか,「感情」の存在の大きさに気づき.今はだんだん20代前半に比べると無理が利かなくなってきて,「体」の影響が結構あるんだなぁと思い始めています.
ということで,鴻上尚史さんの『孤独と不安のレッスン』です.ドキッとするタイトルですね.僕もなんて自分にぴったりくるタイトルなんだろうか,と思いました.むしろ自分に引きつけすぎていて,レビューが上手く書けないです.
要は,孤独と不安と他の人から人間はどうあっても逃れられないのだから,それと上手く付き合う方法を探しましょうという本です.本書では,孤独には「本物の孤独」と「ニセモノの孤独」が,不安には「前向きの不安」と「後ろ向きの不安」が,他の人には「他者」と「他人」があるとして,まずはそれらを区別することから始めます.本書では,前者をいかに取り扱うかが孤独と不安のレッスンであると説かれています.レッスンというだけに,演劇をやっている人だけに,頭で考えるだけではなくて体を使った自分のコントロールの仕方が書かれているのが印象的でした.
頭で分かっていても,体で分かっていない言葉は軽いというか,相手に通じないというか,自分にすら通じないというか,軽いものです.レッスンと題されているとおり,この本に書かれていることもその類でしょう.おそらく生きている限り,孤独と不安のレッスンは続くのです.

孤独と不安のレッスン (だいわ文庫) 孤独と不安のレッスン (だいわ文庫)
(2011/02/09)
鴻上 尚史

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『恋とセックスで幸せになる秘密』 著:二村ヒトシ

著者は二村ヒトシ,AV監督ですね.
恋愛マニュアル的な本ではあるんですが,恋愛をするためには自己愛についてきちんと考えないとダメよ.という本.
この本によると,自己愛はナルシシズム(自分に対する恋,向上心の源)と自己肯定感(自分はそのままで大丈夫であるという気持ち)に分類されて,どちらも生きるためには欠くべからざるものなのだけど,現代の女性には圧倒的に後者を欠く人が多くて,それが「恋とセックスで幸せになれない秘密」になっているというもの.
自己肯定できない人間がなぜ恋とセックスで幸せになれないのか?というところをこの本では「心の穴」というもので説明しています.心の穴とは,いわば自分の中の気にくわない部分でしょうか?誰かに恋をするとき,人は自分の心の穴を恋する相手でふさごうとするそうですが,結局そんなことはできないわけで,自分の心の穴をきちんと把握してそのままつきあっていくこと(すなわち自己肯定)をしなければ幸せにはなれませんよ説きます.その助けになるのが恋愛である,とこの本では説くわけですね.どうやって自己肯定をして恋愛で幸せになるのか?が最終的にこの本では語られるわけです.
自己肯定しづらい女性に対して,男はオタクになったり「ヤリチン」になったりでインチキ自己肯定ができてしまうのが現代日本という話だそうです.そういえば著者の前著である『すべてはモテるためである』では,男はオタクになってインチキ自己肯定をして,その上できちんと女の人に恋をしなさいと説いていたわけですね.実際には男がインチキ自己肯定の世界から帰ってこなくなってしまったっぽいですが.このあたりはあとがきによると,次の本で書くつもりだそうですので,監督の本のシンパとしては気長に待とうと思います.
女性向きだし表紙もタイトルも若干手に取りにくいものではありますが,男性が読んでも心当たりがあるのではないかと思います.本書で言うところの「弱虫系男子」とやらも要は自己肯定できていないんでしょうし….

恋とセックスで幸せになる秘密 恋とセックスで幸せになる秘密
(2011/02/25)
二村 ヒトシ

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すべてはモテるためである―「キモチワルイ」が「口説ける男」になる秘訣 (ムックセレクト) すべてはモテるためである―「キモチワルイ」が「口説ける男」になる秘訣 (ムックセレクト)
(1998/05)
二村 ヒトシ

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