「男からすれば、自分が性的な興味を抱くような女しか目に映らないのさ」みたいなあおり文句から、最初「男女平等」と「好きな女性の取り扱い方」に見られるような、男女関係のダブルスタンダードというかそういったものを指摘するのかなと思ったのですが、まぁそれにとどまらなかったという本でした。
女性の社会参加についての指摘など、現代特有にみえる様々な社会現象も、戦後の時代の流れの中でとらえると必然的に生じた現象であるように解釈できるというのが、毎度の事ながらこの手の新書らしくて面白かったですね。
一つのテーマに絞るのでなく、主に女性の社会参加的なことについて著者の雑感をつらつらと書いているので、個人的には新書というよりもエッセイと言った印象を受けました。悪く言うと、議論の焦点が定まっていない印象を受けて、かつ文章が冗長。
あなたの苦手な彼女について (ちくま新書) (2008/12/10) 橋本 治 |