『武士道シックスティーン』、『武士道セブンティーン』著:誉田哲也

『武士道シックスティーン』と『武士道セブンティーン』の感想です。
これらの作品、要約すると、勝ち負けを極端に嫌う早苗と、宮本武蔵を師と崇め、勝負に固執する香織という正反対の性格をしている二人の剣道少女によるガールミーツガールストーリーです。この全く正反対の二人が、剣道を通してお互いに影響を与え合い、成長していきます。特に『武士道シックスティーン』で出会ったばかりのころの二人のやりとりは、正面に向かい合っているにもかかわらずお互いがよく見えず、理解もできず、まるで面をつけて向かい合う剣道そのもののようです。
読みながら自分のこの作品への「好き」は『彼氏彼女の事情』へのそれに近いなぁと思いました。僕がカレカノを好きな理由はつまるところ、思春期の正の側面の全てが描かれているように感じるからなわけですが。自分と異質な、しかし対等な人間と真っ正面にぶつかり合うこと。ぶつかり合いながら青春時代を通り過ぎてみると、確かに地続きなのに以前とは明らかに違う自分になっている不思議な感覚。それがこの二冊でもカレカノでも、非常に上手に表現されているような気がします。
防具の臭さを感じさせない、初夏から盛夏の空気を感じさせる良質の作品です。超オススメ。

武士道セブンティーン 武士道セブンティーン
(2008/07)
誉田 哲也

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武士道シックスティーン 武士道シックスティーン
(2007/07)
誉田 哲也

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彼氏彼女の事情 (1) (花とゆめCOMICS) 彼氏彼女の事情 (1) (花とゆめCOMICS)
(1996/06)
津田 雅美

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