『「婚活」時代』で一躍有名になった「結婚活動」にいそしむ40代の男性の手記。
感想を一言で言うと「モテないってこじらせると非常にややこしいことになるなぁ」という感じ。
読んでいて痛々しいとはあまり思わないのですが、出口の無い茨の道を裸で歩いているかのような赤裸々な手記にだんだん気持ちが沈んできます。自分は結婚弱者であると謙虚になってみたり相手に性的な魅力を感じないと断ってみたり、その場その場の言動や行動に一貫性がなくて多分に人間臭いです。
これに関しては、結婚を将来に対するリスクをヘッジするための恊働生活体と、性的な魅力を感じる異性(現在日本では異性婚しか制度的に認められていないので)との恋愛関係の中間に位置する現象と考えると、そりゃあ成立し難いはずだと思わなくもありません。前者であればパートナーに性的な魅力を感じなくともよく、ルームメイト的な形で共同生活をして人生のリスクを分散すればいいと思います。後者ならばそもそも恋をする相手がいることが前提であり、恋愛という状態や関係が先に立つのは変な感じがします。というか恋愛→結婚というプロセスが社会制度や常識に規定された単なる幻想なのか、それとも個人(生まれた家族以外という意味で)同士の高度な信頼関係の構築には必ず性愛が含まれなくてはならないものなのか、疑問は尽きません。
ところで、モテない私(本書によるとすでに結婚弱者)は危機感を感じるべきなのでしょうか?
崖っぷち高齢独身者 (光文社新書 354) (2008/06/17) 樋口康彦 |