整理整頓」タグアーカイブ

ものの整理を劇的に簡単にする(かもしれない)4つの分類

ものとの付き合い方は難しい。昔はものがないことに困っていたというが、今はものがあふれていることに困っている場合が多々ある。そこでものとの付き合い方を考えることはとても重要である。

自分にとってどれがものとのいい付き合い方なのかはその人にしか分からない。そしてそれはすぐに分かるものではなく、試行錯誤の末にしか分からない。ということで、ここでは具体的にどうしろということは言わない。試行錯誤の出発点になるかもしれない私の考え方を開陳してみたいと思う。

  1. まずは、自分の手元への滞留時間で2つに分けて、長期間に渡って所有するもの、短期間で使ってしまうもので分ける。
  2. さらに、長期間に渡って所有するものをを使用頻度に応じて3つに分類する。これで自分の持ち物に以下のような4つの分類を作る、というものである。
  • ストック:長期間に渡って所有するもの
    • 日用品:一定以上の頻度(毎日、毎週、月にに何度か)で使うもの 例:日常的に着る衣服,調理用具,家具、家電等
    • 非日用品:特定のシチュエーションで必要となるもの 例:買ったはいいが使っていないもの、冠婚葬祭用品、(ある種の)スポーツ用品、キャンプ道具、(公共交通が発達した地域における)自動車
    • コレクション:持つことそれ自体に意味があるもの。使わないものでも構わない
  • フロー:短期間で消費,あるいは手放してしまうもの 例:食べ物,生活雑貨,雑誌,読み捨ての新書など

ものの整理、特に減らす方向で検討する作業とは、基本的には,非日用品の見直し(レンタル利用の検討など)、コレクションの整理、日用品の厳選の順にやっていけば良いのだと思う。日用品の定義を「一定以上の頻度」と曖昧にしているのも、日用品と非日用品、特に買ったはいいが使っていないものとの境界をどこに置くかに、あなたのものに対するスタンスが反映されると考えるからである。

個人的には、フローは減らしてしまうと非常時に困る場合がある(災害時の備蓄、という側面もある)ので、ある程度余裕を持って予備を用意しておくことをオススメしたい。

あとは逆の考え方もある。ものに合わせて生活を変えるのである。例えば着物を持っているが、使っていない(非日用品になってしまっている)場合、着物を日常的に着るようにすれば、日用品に格上げできる。スポーツも日常的にするようにすれば、スポーツ用品の利用頻度が上がり、電車を自動車通勤にすれば、日常的に自動車を使うようになる。人は自分の存在意義を自分で見いだす必要があるが、ものは存在意義を与えられて生まれてくる。いつか塵芥に帰すとしても、手元にある間は使ってやるのがもののため、だと個人的には思う。

最後に言いたいことは、整理していいのは自分の持ち物、他人の持ち物をどうこうするな、これが絶対の前提である。他人のものをどうこうするものは時にその人からの信頼を回復不能なまでに損なってしまう可能性があるということを、努々忘れるなかれ。

『オタクのための整理整頓・掃除・生活術』 著:雛咲悠

オタクのための整理整頓・掃除・生活術【完結】

既に人気を博している記事で、今更このブログで取り上げるまでもないものかもしれませんが大変よいシリーズ。結局部屋が汚いというのは、

おおむね
(持ち物量)>(収納量)

(持ち物量)<=(収納量)だが、こまめに片付ける習慣を持たない
かのどちらかなわけで、

まずは最初に「所有するに値する物」を分別して、物の管理をキチンとしましょうねというスタンスは個人的に非常に同意するところ。考え方次第ではありますが、少なくとも物語を消費するタイプのオタクの場合、摂取した物語は多少なりとも自分の人格なり物の考え方なりに影響を与えているわけです。なので、たとえ自分の前からなんらかの物体の形をしたそれを除去したとしても、そもそもそれは自分の一部になっているように思うのですよね。少なくとも私の場合、こう考えるようになってから、割と躊躇なく本やら漫画やらを処分できるようになりましたし、意外と手放してしまうと執着しないもので、物がなくなったスッキリ感のみが残るという経験をしています(私だけかもしれませんが)。ノートなりなんなりに記録だけしてしまって、物は処分するというのも一手だと思います。今時、ネット通販なりなんなりを駆使すれば、少なくとも商業作品については買い戻すことも可能だと思いますし。

後半は一人暮らしの掃除術みたいな方向に行くわけですが、部屋の掃除というものは衛生という観点のみならずメンタルヘルスの面からも重要なスキルであるにもかかわらず、系統だって教えられる機会のない技術(そういうものはたくさんありますが)であり、整理整頓、掃除術をまるっと紹介する本記事はオタクでなくても非常に意義深い記事であるなぁと思うのです。掃除や整理整頓のノウハウは結局一人暮らしを始めるなりなんなりして、必要に迫られて実地で学ばなくては身につかないわけで、そんなときに役に立つ記事だと思います。

最後に蛇足かもしれませんがミニマリストについて。ミニマリストって生活スタイルは個人の自由だし、物の整理や管理にかかるコストを最小化するという意味で自分も合理的だとは思います。スッキリした部屋には私もあこがれがあります。しかし、水、食料、衛生用品、エネルギー、あたりは最低限自分で備蓄すべきではないかなぁと思うわけです。首都直下型の災害で物流インフラが崩壊したら、待てば助けは来るだろう、といえど1週間で首都圏1000万人以上の人間に水と食料を十分供給できると思います?ということで、自分の分と、周りの困っている子どもに分けてあげられる分くらいは、食料などを備蓄してもいいんじゃないかと思います。家ごと津波にのまれたり、地震でつぶれたりしたら一巻の終わりなんですけどね……。