げんしけん」タグアーカイブ

『Spotted Flower 3』著:木尾士目

『げんしけん』の並行世界の後日譚というか、どこかで見たことがあるキャラクター達の物語。主人公は「斑目くん」ぽいオタクの男性と、「咲ちゃん」ぽい普通の女性。2巻辺りから『げんしけん』で見たようなメンツがガンガン出てきて、個人的には完全後日譚感が出てきました。

今巻の目玉は「波戸くん」っぽい女装癖のある男性です。『げんしけん』では波戸くんの斑目への恋心はマイルドに落ち着きましたが、こっちはイケイケというか、男性器はまだ残しているけど、胸には乳房をつけたらしく、傍目には完全に女性。「矢島さん」っぽい女性とタッグでBLマンガを描いていて、私生活でもパートナーという関係性。掲載誌がその辺のコードが緩いのか、というか、キャラクターデザインもあるんでしょうが、キャラクターの体の性と心の性、性指向がどうなってるのかよく分からなくなってきます。

異性愛以外の表現が本当に苦手な人はやめておいた方がいいんでしょうが、そうでないなら、その辺の固定観念を解体して、「本人達が良いなら良いかな」と思えるようになるには誰も傷つけない良い教材なのではないでしょうか?作風は全く違いますが、受ける印象は『放浪息子』に近いものがあります。

『げんしけん 二代目の十二 21』著:木尾士目

大学オタクサークルを扱った有名作品の続編、完結です。

初代の2000年代前半に比べると、女性のオタクや腐女子の文化が随分世の中に広まってきまして、その流れを受けてか本作も男性のオタクから女性のオタクに主役が入れ替わり、最終的に初代から登場していた斑目くんに彼女ができるかどうかという話をやっておりました。ということで本巻でその決着がつくのですが、それとは別に初代のキャラクターが結構登場しまして、初代のようなワチャワチャを楽しそうにやっております。そんな同窓会のような感じがとても良いです。まぁぶっちゃけ、社会人になって昔からのオタク友達と会うときの感じがとても良く出ています。

ということで、二代目になって登場人物がガサッと入れ替わったので、読まなくなった諸氏もイルカもしれませんが、最終刊は懐かしい雰囲気がありますのでぜひリターンしてもらえればと思います。

個人的な話なんですが、大学生の時にちょうど『げんしけん』が始まりまして、さらにアフタヌーンを読み始め、家のブロードバンドが入ってインターネットも本格的にやりだし、コミケに行ったり、エロゲーを初めて買いに行ったり、僕は笹原くんと一緒にオタクになりました。失ったこともあるんでしょうが、楽しいことも多いのでまぁ後悔はありません。