買ったのは夏コミで上京したときだったので、読み終わるまでに結構かかってしまった。読み出したらすぐだったのに。
アートというか、人間の感覚に訴えるものをつくる仕事をしている人たちに対して、その感覚の源泉にある自然現象や理論を簡単に説明しますよという本。
読者は別にアート系の学生に限った話ではなくて、高校ではやらなかったけど、物理を勉強してみようかなぁという人にはいい入門書なんではないかと思います。物理を避ける人の心性として、とにかく数式アレルギーみたいなのがあると思うので、イラストや写真をふんだんに使って感覚に訴えるように作られている本書は有効でしょう。個人的に物理を学ぶ楽しみの一つであろうと思っている、「自分の感覚に説明が付く瞬間」が味わえるのではないでしょうか。
一応理系の端くれで、高校大学と物理をやりましたが、一度も習ったことのない色彩やカメラの話があったので楽しめました。
教養として知らなければならない程度というのはよく分かりませんが、心に引っかかりを作るきっかけとして良い教養書なのではないかと思います。
アートのための数学 (2008/05) 牟田 淳 |