『屈折くん』著:和嶋慎治

老舗の本格派オルタナバンド「人間椅子」のギター&ボーカル和嶋慎治氏の自伝。

この和嶋慎治というおじさん、着物着て「冥王(プルートゥ)」と名付けられたギターを「歯で弾く」あるいは「背中で弾く」という冗談みたいな人です。『デトロイト・メタル・シティ』かよ……。

本書では生い立ちから上京、人間椅子の結成と長い低迷期、そしてここ最近の復活までが綴られます。一時期結婚していたとか、エフェクター作るのが趣味だとか、アル中気味だったとか、自分の中で超絶ギターの上手いおじさんが、超絶ギターの上手い面白いおじさんにクラスチェンジしました。盟友のベース鈴木研一氏と「人間椅子」やっていこうかと決意する下りなんかはなかなか感動的で、ライブツアーの前に突如「おばあちゃんの格好をしたくなった」というのは「解せぬ」としか思いません。

音楽は完全に個人の好みによるわけですが、私の場合、メタルとかオルタナとか「人間椅子」で初めて聞いたんですが、すっかり参ってしまいました。かっこいいんですよ。あと、「人間椅子倶楽部」という番組(最近ネット配信として復活した)で、メンバー3人でまったりやっているのもなんか微笑ましく、良いです。個人的には録音媒体よりもライブから入った珍しいバンドです。

今まで聞いた中だと最近は「宇宙からの色」が好きです。

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