古着、軍服、スポーツウェア…。それらを自由に組み合わせる事は、現代のカジュアルウェアでは常識になっている事な訳だが、おそらくは誰か、最初にその着こなしを提案した人(あるいは一団)がこの世にいたのであろう事は想像ができる。で、これはそういう現代的な着こなしを紹介した本として、かなり有名な部類に入る…らしい。
どうも本書の構成から考えるに、あらゆる服にはその産まれた地域や背景などによって系統というものがあって、それらの基本的な着こなしを理解した上で、それらを自分に似合うように自由に組み合わせなさいという事らしい。本書のタイトルであるチープ・シックを実現するには、教養がいるというわけだ。確かに、金がないなら頭を使え、というのはこの世の定石ではあるけれども。
初版が30年近く前の本なので、写真は古い。しかしどれも味があり、突飛な着こなしでも似合ってしまっている写真が多い(当然か)。なんとなく、ただしイケメンに限る、的なものを感じなくもない。
あと最後に、ファッション雑誌の編集だったり、本書で紹介をされているオシャレ(だとされている)な人たちは、意外と数、種類とも少数のものをずっと着ているというのが面白いなと。どうも現代のデザイナーの私服を見ても、ずっと同じ格好をしている人が多いような気がする。