『ロード・エルメロイII世の事件簿 3 case. 双貌塔イゼルマ(下)』著:三田誠 挿画:坂本みねぢ

第四次聖杯戦争を生き延びたウェイバーが、ロード・エルメロイII世となって、第五次聖杯戦争を解体するまでの間の物語、第三弾(第二弾の解決編)です。

ある方向に突き抜けることでこの世の根源に至ろうとする魔術師、その中でも「美しい」という事を突き詰めることを目指したバリュエレータ家の成果、黄金姫と白銀姫のお披露目会に参加したライネス(主人公、ロードエルメロイII性の義理の妹)は誰かの策略にはまり、黄金姫の殺害容疑をかけられてしまいます。自分で自分の疑いを晴らさなくてはならなくなったライネスが「詰み」かけていたところに義兄のII世が、そしてなぜかエルメロイ教室の問題児、フラットとスヴィンがやってくきます。一方事件の裏では魔術世界の勢力争いが渦巻き、お披露目会の参加者の1人、アトラム(第五次聖杯戦争:Fate/Stay Nightのキャスターのマスター)がバリュエレータ家の持っているある魔術的な遺物(これも本作で明かされます)を奪うべく軍勢を呼び寄せます。さて、II世とライネスらは大きくなってしまった騒ぎをどう収束させ、謎を解くのでしょうか?

主題は、エルメロイ教室の愉快な仲間たちが大暴れ。といったところでしょうかね?要するに謎解きはともかく、騒ぎの収束については力業です。教室のお披露目会のような感じ。第1巻では内弟子のグレイの正体が明かされたわけですが、今巻で魔術世界におけるエルメロイ教室の異常性みたいなものがいくらか明らかになりました。原作者認定でFate本編と地続きという事だそうで推理小説というよりはType-Moon世界の解説書、あるいは世界を広げる外伝という感じですね。個人的には以前ほど熱心にType-Moon作品を追いかけなくなったので、どうも初出ではないようですが、フラット、スヴィン両名とも独特で強そう。ちなみに今回のラスボスはType-Moon作品では足かけ15年くらい?登場しているあいつでした。

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