1年ほど機械式の腕時計を使ってみて、思うところを書いてみようと思う。
機械式時計はクォーツ式に比べて価格帯が高いものが多いので、外装もそれに応じて加工精度や仕上げの質が高かったり、凝った材料を使っていたり、というのがあるように思う。半分宝飾品のように貴金属が使われているものもあれば、強酸性の化学製品を扱うプラントに使われるような、高ニッケルステンレスが使われる場合もある。
計時精度に関しては、日用にはほぼ問題ないのと、現代はそこら中に原子時計の繋がったコンピュータが溢れているので、時計合わせには困らないなと思う。正確な時計が世の中にあふれているからこそ、手元の時計は多少大味でもOKなのではないか。
パワーリザーブは問題で、ここはほっといても電池が切れるまで動き続ける電気駆動の時計には勝てない。結局僕も時計を止めないために、1日に何分かは必ずつけるようにしている。それでも腕を運動量が小さいと朝方に力尽きている。とはいえ最近は機械式でも丸3日動くようなものもあることはある。
定期整備に金がかかるという難点は、金さえ積めば気に入ったものが使い続けられる、というメリットとも取れる。ETAの汎用ムーブメントなんて50年近く作り続けられているものもあるわけで、おそらくこの先もどこかで必ず部品が手に入り、整備ができるだろう。マニアにはバカにされることも多いが、そう考えると汎用ムーブメントも悪くないと思わないだろうか?15年近く使っているお気に入りのクォーツの時計があるのだが、故障しても修理できるのか、ぶっちゃけよく分からない。まぁ、ロレックスなんかの一流ブランドも、金さえ積めば保守してくれそうな感じではある。時計なんて使うときにほとんどエネルギーを使わないので、長く使えば使うほど環境には優しい。この点からも長く使える可能性が高いのはメリットである。保守費用については、何年かに数万円支出できるくらいは、頑張って稼ごう。