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『友だち幻想 人と人の<つながり>を考える』 著:菅野仁

一言で言うならば、日本社会や学校社会における「友だち」に代表される、同質性に基づく人間関係に関する思い込みをほどいて、個人の自立や自由を前提とした人間関係を構築するにはどうしていったら良いのかについて書いている一冊。人間関係についていくつか言葉を定義して、それを使って曖昧模糊とした人間関係に手で触れるような形を与え、解きほぐしていきます。学問的な言葉を使いつつも表現はわかりやすく、かといって内容的には大人の読書に堪える物であると思います。

主張されている内容としては、鴻上尚史さんの『「空気」と「世間」』とか、「孤独と不安のレッスン」に近いものなのかなと思いました。ですので、おすすめしたいのは日常の人間関係に息苦しさを感じている人。本当はみんなこんな感じで、お互いに自由に、さりとて尊重しあうような人間関係の中に生きられたら良いんですけどねぇ。