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Wenger Commando Chronograph (model 70725) 復活

元々大学受験で浪人した際に、試験の時に見る時計が必要だろうからと親が買ってくれた時計だった。それ以来20年近く、手元で動いては止まり動いては止まりしてきた時計である。

このモデル、90年代後半に大ヒットしたテレビドラマと映画のシリーズ『踊る大捜査線』の劇場版第1弾で主人公がつけていた時計として有名である。……なのだが、有名なのは文字盤にSAK(Swiss Army Knife)の文字が入った初代モデルであり、これはどうやら2代目か3代目らしい。このモデル、同じ型番と商品名で文字盤に複数のバージョンがあり、代が進むにつれて、文字盤のデザインがシンプルになっていったのである。正直な話古いモデルほどカッコ良いとされており、SAKデザインのものは現在でもネットオークションでそこそこの値段(中古品でも当時の新品の実売価格並)で売られている。まぁ自分としてはこのモデルがやはり一番だと思う。

というわけで高価でもないし、特に希少なものでもないのだが、自分は気に入ったものは大事にするタイプなのと、直径39mmのクロノグラフというのは今となっては案外希少で、ずっと手元に置いている。

今回、2年近く前に止まって以来ずっと動かしていなかったのだが今回、ムーブメントを交換して前線復帰とあいなった。いつの間にかクロノグラフのリセットボタンの軸が曲がってしまっており、ガラスやボディも傷だらけ、防水性能も落ちていて満身創痍であるが、ETA社の汎用クロノグラフムーブメントを搭載しているおかげで発売から20年以上経ってもこうして直すことができる。ありがたい限りである。老境に入りつつある親との思い出がある品であるし、今回のようにインターバルは開くかもしれないが、直せる限り直して時々左手首に収まることだろう。