『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』著:加藤陽子

明治維新以後の日清戦争〜第二次世界大戦に至る日本を中心とした世界の動き(主に戦争)を扱った本。東大で近代史を研究されている加藤陽子先生が、中学生、高校生の歴史研究サークルの男の子たちに集中講義をするという形式の本です。一つ一つの戦争に対して様々な国の関係者の発言が引用され、おそらくは大学の教養課程で教えられるようなレベルの知識もちりばめられており、とはいえ語り口は平易で読みやすい良書です。

個人的にこの本を手に取った目的としては、なんで第二次世界大戦であんなにも国力差のある米国に対して戦争を始めて、ムチャクチャな作戦もたくさんやって、若い人や優秀な人の命をたくさん使い潰し、国民を餓死寸前までに追い込むような愚行をやってしまったのか、やらざるをえなかったのかを知りたいというのがありました。しかし、やはり一冊本を読んだだけでははっきり言えるものではありませんね。

おそらくこの本は、高校世界史日本史をやって、基本的な歴史の流れを把握した上で読むべき本なんだろうなと思いました。僕はその辺の知識がすっぽり抜け落ちているので、そのせいでピンとこない部分がたくさんありました。とりあえず山川書店の世界史、日本史の教科書でも読んで、その辺の話をきちんと理解してから、読み返してみようと思います。

どうもこの先20年くらいで、政治や安全保障など、難しいことを考えなくてもノホホンと平和に楽しく暮らせる時代は終わりそうで、その時にはこの本に書いてあるような近代戦争史を物を考える基礎として学んでおかないと、なにがなにやら分からないうちにひどいことに巻き込まれてしまうような気がするのです。ということで、日本の近代史を頭に入れた上で本書を是非どうぞ。

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