『Landreaall(32)』著:おがきちか

年に2回の新刊が出ました。今回はアトルニアの職業の話と、次の大きなクエストが始まる話。

前半はアトルニアの職業の話、「何十年かに一度の王様の戴冠式で王冠を運ぶ職業を代々受け継いでいる祖父と子どもの話」と、「暴れん坊将軍DXが、中間搾取が酷い派遣業者に手入れをする話」の2部構成です。良いファンタジーやSFって、現実の風刺画になったりしますが、今回はなんかそんな感じでした。王冠を運ぶ仕事は、「そんなものが仕事になるのか?」と現代の感覚では思いますし、後者のエピソードで出てくる仕事は現代でもありそうな話で……。「誰にでもできる仕事」って足下を見られがちですが、それができるなら「ちゃんと暮らしていける」べきだよなぁと思います。現代も結構怪しいですね……。

後半は王城の地下のダンジョン攻略でトラブルが発生します。エピソードの始まりで事態は混乱を極めて終わりますが、はてさてどうなっているのでしょうか?エピソードの緊迫感とは別で「騎士と姫君という関係性の否定」をあれほどロマンティックにやってのけたDXとディアの仲が、大仕事をやっている現場に差し入れするくらいにアットホームなのはちょっとほっこりしますね。

次は半年後です。

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