彫刻といった立体裸体表現における性器表現、本書で言うところの「股間若衆」について語った一冊。「隠さなくたって、もういいじゃない!」と帯に書いてあるように、著者は裸体表現容認派。本ブログでも何度か言及したことがある性表現に関する「えっちなのはいけないと思います」という公序良俗に一石投じる一冊。
日本国内のあちこちのブロンズ像から、果ては日本古来の性器信仰の対象(下図参照)まで。彫刻や写真や絵として表現された性器そのものが果たして猥褻なのか?と著者は疑問を投げかけます。個人的に考えてみても、確かに性器単体で見て性欲を催されるかというと、微妙ですね。やはり痴態あっての性器だと思うんです。はい。
図版が142点あるそうですから、美術表現上の性器が大好きなあなたにお勧めです。内容としては実に真面目な美術の本です。