『男の作法』 著:池波正太郎

個人的には俺ツエー系ラノベの源流なんじゃないかと思えなくもない『剣客商売』の池波正太郎先生が、男の道楽について語ったエッセイ。同時期に伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』も読みましたが、スノッブ臭が強すぎて個人的にはこっちの方が好みでした。

そばの食べ方、浮気について、万年筆について(いかにも作家らしい)、和服について、色々と生活の細々したところについて語るわけですが、戦前に生まれた方だけのことはあり、ちょっと時代錯誤な気もしないことはありません。とはいえ、自分なりにアレンジすれば現代の生活のちょっとした楽しみに出来そうなものもあります.特に,いろいろなことに気をやりながら同時平行に物事を進める、それを訓練するためには台所仕事が良いみたいな話は激しく同意するところです。特に平日の朝に弁当を詰めつつ朝食も作る際には同時並行作業が必須です。なんとなくこの辺りは、以前感想を書いた『女神搭載スマートフォンであなたの生活が劇的に変わる!』にも書いてあったような気もします。昭和の人なので家の仕事は女の仕事だとは言っていますが、男でもやったら良いんではないですかと思わなくもありません。まぁ、家事も賃仕事も、男女問わず出来た方が良いに決まってますよ。所帯の中でお互いスペアになりうるってのは、生活共同体としてより強固になるし。

あと、世の中お互い様というか、人間お互い支え合って世の中が成立しているから。他人に対する配慮を忘れちゃいけないっていうのはそう思うなぁと。信じられないくらい自分のことしか考えてないような人って、結構いますからねぇ……。

女性が本書を読んでどう思うかは分からんけど、男性なら、生活に「道楽」を持ち込んで日々を楽しくするヒントが載っているような気がする一冊。

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