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『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』著:永田カビ

持っている人には当たり前すぎても、持ってない人にはどうやって手に入れたら良いのか全く分からないのが「自尊心」とか「自信」というものだそうですが、おそらくそれにまつわる作品。

どうも親との関係が良くなかったのか、自分を大切にできなくなってしまい、自傷癖や摂食障害を持っているくらいだった著者が、一年発起してレズビアン風俗に挑戦してみて(してみるまでの過程で)、いろいろなことに気づく話。

タイトルにレポ、とありますが真に迫っている作品だと思います。頭のいい人なのかな?著者が少しずつ「自分を大切にすること」に気づいていくというか思い出していくというか、そういう過程がとても上手く言葉になっていると思います。たとえば、著者の場合特有の事情なのかもしれませんが、身だしなみを整えるといった当たり前の習慣も自尊心に結びついている(言われてみれば関連ありそうですが)ものなのだなと。

著者が風俗のお姉さんと関係を持ったときに気づいたことは、女性と女性だけの関係に限った話じゃないよなぁと思います。男女の関係でも、男性同士の関係でも一緒だと思います。荒廃している日本の「性」について縦横無尽に語った労作『日本人はもうセックスしなくなるのかもしれない』にも似たようなことが書いてあったような。

pixivでも読めるんですが、色々と掘り下げてあってすごくわかりやすくなってますし、おまけマンガも着いているので、著者の創作活動を応援する意味でも是非一冊。とても良い作品ですよ。

pixivの実体験マンガは時々本当にすごい物がありますね。『死んで生き返りましたれぽ』も真に迫ったとても良い作品でした。こちらも是非どうぞ。