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『葛城姫子と下着の午後』著:畑田知里

秋葉原にCOMIC ZINというちょっとサブカル臭のするコミック専門店があるんですが、そこで平積みされていたのを買ってきた一冊。

女子高校にて女性用下着が好きで好きでたまらない女子生徒たちが繰り広げる諸々の話が書かれていて、その女の子たちの中でも一際頭がぶっ飛んでるのが表題にもある葛城姫子だそうです。といいつつ、主人公は最初はスポーツ用の下着を着けていた関川明日美という女の子。百合ではないが、彼女と姫子の女性同士の友情が話の軸になるのだと思います。

いろんな女の子が出てきて色々な下着を着けていて,基本的に女性の露出度が高いわけですが、男性向け漫画にあるようないやらしさが不思議とない。まるで女性用下着売り場のような感じ。著者は恐らく女性用下着が好きな女性(メイドや中東の民族衣装が好きで好きでたまらない森薫先生みたいな感じ)だと思われますが、徹頭徹尾女性目線で描かれた漫画のような気がします。

個人的に面白かったのが、(夢の中とはいえ)姫子が下着の上にコート(ブルゾン?)を羽織っただけという露出狂スタイルで町に出るというエピソードです。その中で階段下でミニスカートの女子高生のパンツをのぞいていてかつスカートを押さえると文句を付けるという、ダメな感じにスケベなおじさんに絡まれたときに、周囲の女子高生が「足と短いスカートは見せてるが、パンツは見せてねぇ」と啖呵を切ります。あともう1つ、電車の中で保守系の女性国会議員のような感じのPTAおばさんに「子どもに悪影響だから前を閉めろ」といわれたときに、姫子が「悪影響に見えるのは、あなた(おばさん)が下着を性的な目で見ているからでしょう。」と返します。娑婆を見渡す限り頭がおかしいのは姫子なんですが、妙な説得力がありました。この辺は是非読んでいただきたいところ。

ということで、自分と服を脱ぐ相手くらいにしか見せることのないきわめてプライベートな衣服、女性用下着の奥深い?世界が描かれた一作。姫子は正直狂人だと思いますが、結構興味深く読みました。