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『境界線上のホライゾン1下』

境界線上のホライゾン 1下 (1) (電撃文庫 か 5-31 GENESISシリーズ) 境界線上のホライゾン 1下 (1) (電撃文庫 か 5-31 GENESISシリーズ)
(2008/10/10)
川上 稔

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分厚いです。近所の本屋で買ったのですが一冊しか入荷していませんでしたよ。800ページて何ね!?
で、内容ですが、大変に熱い。それこそ設定やらキャラクター紹介やらを上巻で説明し終えているので、あとがきにあるように1巻からクライマックスな感じです。超人体術を余すこと無く表現していると言える戦闘シーンもさることながら、舌戦も大変素敵でした。変態描写も増量でサービス満点。これだけ分量があって破綻してないのが凄いよなぁ。
好きな一節は主人公達の隣のクラスの先生の言葉。

楽しいことが一杯あればいいと思う。嫌なこともあるだろうが、それ以上にいいことを見つけられればいいと思う。それも、就職とか、裕福とか、そういうこととは別のこと。
(中略)
上手く生きていく方法を教えることが出来るとは思えない。だが、自覚して教えていることが一つだけある。それは、
「そのためにも、……死なないこと。絶対に、自分で自分を殺さないこと。ーーそれだけは憶えておいて下さい」

フィクションとはいえ良い先生です。最近の若者は幼いと文句はたれるくせに、「資産運用」みたいな大人になってから覚えればいい些末なことを小学校から教えるよりも遙かに教育的です。結局勉強するのは自分なので、教育自体が教えられることはこういう事だけなんだろうと思います。
表紙の裏にキャラクターメイキングが書いてあるのに下巻で気づきました。続きをワクテカしながら待ってます。次はいつだろうか?

『境界線上のホライゾン1上』

川上稔先生の新作にござります。しかしのっけから500ページ超えとはぶっ飛ばしています。設定集が740ページあるとか、物語の骨子はティーンエイジャーのときにできているとかどんだけーです。
独特でぶっ飛んでいる会話と高速度カメラでとった動画をスローモーションで再生しているかのような独特の殺陣の描写が稔節です、これだけでお腹いっぱい。ハイテク剣とか鎧とかたまらんです。さとやすさんの絵も相変わらずまロくて素敵にござります。
とにかく世界観と登場人物が複雑極まりなく、把握するのに必死でしたが、本書を通過しておくことで次巻以降が楽になるのでしょうか?
キャラ的に好みを言うと、弄られっぷりに浅間、百合っぽいのでマルガとマルゴット、でも

「いい?どんなに着飾っていたって、ただ着飾っているだけなら趣味。人から見た自分を意識して着飾るようになって表現。それによって人を惹き付けられる着飾りができて御洒落。そして自分が欲しい点数を持っている人の目を奪う着飾りが出来たらー憧れを手にした、と言うのよね。」

この辺のやり取りで東とミリアムが一位です。主人公のトーリはまだ得体が知れません。今後に期待。