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『皇国の守護者1 反逆の戦場』著:佐藤大輔

巻末よりあらすじを引用

雪氷舞う<皇国>最北の地に
鋼の奔流が押し寄せた
最新の装備に身を固めた
<帝国>軍の破竹の進撃に
<皇国>軍は為す術なく壊走する
敵情視察を命じられた
殿軍の兵站将校、新城中尉は
僚友の為、剣牙虎の千早と共に
死力を尽くし、敵の猛攻に
立ち向かうが……

ということで熱狂的なファンを持つ皇国の守護者です。文体はいかにも戦記ものっぽいややお堅い感じ。ラノベに脳が最適化されていたせいで慣れるまで時間がかかりました。
この作品、なにより主人公の新城直衛が素敵でございます。戦記の主人公なら身の丈六尺を超える偉丈夫が標準、ラノベなら美少年かそこそこ見れる顔の中肉中背って感じでしょうがこの作品の場合、短身で顔は凶相と言い切っています。何より近親感がわきます。
かといって胆力のある勇者なのかと思いきや、突撃のときに小便ちびります。そのくせ

死して無能な護国の鬼となるより生きて姑息な弱兵と誹られた方が好みだ

なんて言ってのけます。

まぁ、戦記モノなので戦上手なのは当然なんですが。それ以外にも色々性格が捻じ曲がってて、読んでいて飽きません。自分の性格も勘定に入れて自分を飼いならしている直衛には憧れます。
主人公の性格でも結構お腹いっぱいになれますが、この作品の肝はやはり直衛の愛虎、千早でしょう。イメージはプリンセス天功の飼い虎ですが、巨体で主人公にじゃれるのがカワイイの何の。マダラオオキバネコ可愛いよマダラオオキバネコ。

という感じです。ストーリーはとにかく雪原が赤く染まります。いかにも寒そうです。軍事関係は良く分からんのですが、ファンタジーでありながらしっかり積み上げがあって話に厚みがあります。
非常に良質のコミックがあり、それから入ったのですが、原作者と漫画家が喧嘩してこれからってところで終わってしまったらしく。原作を読んで作品の面白さを確認しただけに本当に惜しまれてなりません。

皇国の守護者〈1〉反逆の戦場 (C・NOVELSファンタジア) 皇国の守護者〈1〉反逆の戦場 (C・NOVELSファンタジア)
(1998/07)
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