『中学性日記 (1)』  著:シモダアサミ

思春期とか成長期というものを卒業して10年あまり経ちますが、今思うとすごい時期ですよね。良く中学生は難しいなんて言いますが、さもありなん。体があれだけ激しく変化している中で心の安定など期待するべくもあるまいという感じ。そんな思春期、割と保健体育の教科書的な意味で、を取り扱ったのが本作です。

特に体の変化に戸惑う中学生男女のエピソードがオムニバス形式で描かれています。『思春期シンドローム』や『富士山さんは思春期』とはまたちょっと違った切り口で面白いです。生々しくて昔を思い出す感じ。

最初のエピソード(胸の発育がいい事をコンプレックスに思っている女の子と下着屋に入って、彼女のブラジャーを選ぶという話)に出てくるブラ好きの杉田君が裏山けしからんです。まぁ、助平?ではあってもねちこさやいやらしさがなくて、自分のコンプレックスを気にせず肯定してくれるのが、ヒロインにとってとても魅力的に写ったんだろうなと思います。俺はあんな風にはなれないし、当時もなれなかっただろうなぁと。

作画も癖がなく、まさに保健の教科書っぽいあっさりさなのが、作品と合っていて魅力を高めているように感じます。

大人になる前の、ちょっと戸惑いと恥ずかしさ、喜びが混じった気分を思い出せる一作です。

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