『初情事まであと1時間』著:ノッツ

セックスは多様だと言いつつ、ドラマとしては、事ここに至るまでにいかなる感情と人間関係の綾が織りなされるかということが重要でありましょう(文筆家になりたければまず官能小説を書け、と言う説もあるそうですし)。本作はタイトルの通り、2人の男女が初めてのセックスに至るまでのラスト1時間だけを切り取った作品です。男性同士、女性同士になるとそれはそれで漫画のジャンルが変わっちゃうんですかね。

シチュエーションとしては多彩。高校生同士が彼女の実家で、とか、大学生の先輩後輩が彼女の下宿で、といった割と現実に良くありそうなものから、魔王の城の中で全滅寸前のパーティ、宇宙人にアブダクションされた初対面の男女といったファンタジーの世界まで、手広く押さえてあります。本作の場合、男性が押し切る、というよりは女性もノリノリになるのが多い。個人的には大変結構かなと。

ノッツさんの絵自体はデフォルメされたもので、所謂成人向け漫画のようにダイレクトにセクシーな感じではありませんが、漫画的な記号を駆使した羞恥表現等が上手いのか、こっちまで恥ずかしくなってきます。登場人物達がその後どんな風にセックスするのか、興味はありますが、まぁ寸止めがいいんでしょう。

というわけで、エッチなモノに興味津々のあなた、経験があれば自らの身に起こったことを思い出して、経験がなければまだ見ぬ彼氏彼女、恋人じゃないけどセックスすることになった相手との初夜を想像してお楽しみいただければよろしいかと思います。

 

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