『天城ブリリアントパーク』著:賀東招二、挿画:なかじまゆか

2〜3年前にアニメ化していた、テーマパークを舞台にしたコメディ。つぶれかけのテーマパーク(実は物語世界の裏側にあるおとぎの国の出先機関のようなもの)の支配人にさせられた可児江西也(かにえせいや)が、盛り上げるために奮闘するというストーリー。主要登場人物(特にテーマパークの主要マスコットキャラ3名)に一筋縄ではいかにない特徴が与えられていて(喫煙者だとか、バツイチで女癖が悪いとか、AVに詳しいとか。あと全般に所帯じみている)、個人的には大笑い。主人公とヒロイン2名はティーンエイジャーで、あまりゲスな設定はないんですが、名前の由来が米国のヒップホッパーだったりします。

昔から賀東昭二先生を知っている人に説明するなら、『フルメタルパニック!』の短編のノリといえばわかりやすいでしょうか?ただ、キャラクターのシリアスな面の掘り下げは、フルメタの場合は基本長編でという感じだったわけですが、本作では本編中で少しずつ語られるみたいです。取り急ぎ2巻まで読んだんですが、エンターテインメントに携わる人間のプライド、みたいなものは随所に語られますし、ヒロイン2人も、欠点や弱さみたいなものが見えて魅力的。シリアスとコメディのバランスには昔から作家業をやっている賀東先生の匠の技が光ります。

 
 

 

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